配賦係数がマイナスの場合の扱い方(車両走行距離配賦)
車両走行距離配賦の配賦係数がマイナスの場合。走行距離がマイナス?ってどういうことでしょう?バックしたとか?と思った方、一応正解です(笑)。車種によりますが、むか~~しの車は、バックをするとメーターの数字が減る車があったそうです。なので、「車両使用記録簿」上に使用前後のメーターの数値を書いて素直に使用後の数値から使用前の数値を引くと、マイナスの数字が発生することは有り得ます。まあ、今の時代で車両走行距離がマイナスになるというのはおそらく単純な書き間違いが多いとは思いますが。
原因はいろいろありますが、車両走行距離がマイナスであった場合、どのようにするべきでしょうか。
原則は「再調査」
やはり、原則としてはその走行距離が本当にマイナスなのかどうか、再調査するべきでしょう。何らかの大きな間違いを犯している可能性もなくはありません。
再調査してもやはり「マイナス」だったら
しかし、それでもやはりその走行距離がメーター読みの数値として正しい場合。また、数値の妥当性の調査が困難でよくわからなかった場合。また、速報性を出すために数値の精査ができない場合。どうするべきでしょうか。
基本は、その配賦係数はゼロとして扱うべきです。車両走行距離配賦は、「たくさん車を使った収支管理単位に、車関係の費用をたくさん負担してもらう」というコンセプトです。その車両走行距離がマイナスになるということは、おそらく何らかの記入ミスがあって、しかも車両の使用頻度が低いということです。なぜなら、車両をそれなりに頻繁に使っていれば、多少、走行距離の記入にミスがあってマイナス距離の記録が発生したとしても、そのマイナスは、日常的に車両を使用していればすぐにプラスの走行距離に相殺されてしまうはずだからです。
つまり、車両走行距離の総計の数値としてマイナス数値が発生する収支管理単位は、そもそも車両の使用頻度が極端に少なくて、なおかつ何らかの記入ミス等があった場合に限定されます。そもそも車両の使用頻度が極端に少ないのですから、配賦係数は「正しい」値だったとしてもゼロに極めて近くなる可能性が高いです。だから、そのマイナス数値が正しいかどうか時間をかけて精査する価値はおそらくありません。割り切ってゼロと見做すのが、コストと成果のバランスの取れた管理会計システムだと思います。