運用系の会計SEは4・5月が忙しい。
会計システムの運用には、明らかなピーク性があります。それは会計の締めという大イベントがあるからです。半期末、年度末は会社全体が忙しくなりますが、会計システムの運用者は若干違うピークがあります。
運用系会計SEの仕事のピーク性
会社内の多くの部署は「期末」、つまり半期末である9月、年度末である3月が忙しくなります。しかし、経理部の人が本当に忙しくなるのは「期初」の10月、4月です。もちろん期末も忙しいのですが、経理部としては、期末の取引が現実に終わってから、つまり、実際に期末日が過ぎてから期末の取引の仕訳入力をすことが多いからです。
そして、それと一緒に会計システムの運用者も忙しくなります。その原因はいくつも考えられますが、運用者として大きなものは2つです。
- 期末にしか入れない仕訳がたくさんある
→勘定科目の追加等、データ作成対応が大量に発生する - 期末にしか動かさない機能がたくさんある
→バグが発見される事が多い
1つ目の「期末にしか入れない仕訳がたくさんある」は、経理の宿命です。期末棚卸の仕訳とか。棚卸なんか毎月やってるよって会社は多いと思いますが、棚卸は商品だけじゃありません。例えば、総務部にある切手。あれなんかは、期末だけ棚卸して資産計上する会社が多いと思います。他には、例えば借入金の未払利息とか、社員の給料の建設仮勘定への計上とか。そんなんがたくさんあって、期中では不要だったデータ等が要求される可能性がグンと高くなります。
2つ目の「期末にしか動かさない機能がさくさんある」は、システム屋としては痛い話ですね。私のザックリした感覚ですが、会計システムのソースコードのうち、期中に動くものは半分程度なんじゃないかと思います。残りの半分は、期末の決算作業を行う期初、つまり4月頃に集中的に動きます。例えば取引先毎の債権債務の消し込み表や、税務関係の帳票など。期末にしか使わないから期中にはバグは発覚しないんです。そしてそういう期末しか動かない機能がたくさんあるから、たくさんバグが見つかります。しかも、経理部のお客さんとしては一日でも早く期末を締めたい。つまりバグが出たらブチキレつつ「一秒でも早く直してくれ!!!」と言われます。SEとしては胃を痛くしつつ、深夜までバグ対応に追われるわけです。
と、こんな記事を書いている今は6月。私が担当している会計系システムの締めは終わりました。一年で一番ハッピーな時期です。幸せ。