運用系会計SEは厚生年金保険料と健康保険料で「損をする」運命
運用系の会計SEは4・5月が忙しい。の記事で書いた通り、運用系会計SEは4月・5月が忙しくなり、残業が多くなりがちです。それが原因で、厚生年金保険料で「損をする」ことが多いです。説明しましょう。
厚生年金保険料ってなんだっけ?
そもそも厚生年金保険料ってなんだっけ?っていう人もいますよね。厚生年金とはサラリーマンのための年金で、厚生年金保険料はその厚生年金の掛け金として毎月給料から引かれているお金です。そして、会社がさらに同額の掛け金を乗せてくれます。働いている人から見れば、掛け金が自動的に2倍になってもらえる年金も多くなる「はず」なので、お得だって話なんですね。
でも、昨今の年金問題。
一方で、昨今騒がれている通り、年金が破綻するんじゃないかと色々と論議されています。色々な意見の人がいますが、私はどちらかというと破綻すると思っている派です。
そんな立ち位置の人からすると、どうせ年金は貰えないんだから、その掛け金はドブに捨てているようなものなので、払う掛け金は少なければ少ないほど良いわけです。で、その掛け金の金額はどう決まるのかというと、4月~6月の給料の平均額で決まるんです。下記に表の抜粋を載せます。
報酬月額 | 健康保険料 | 厚生年金 保険料 |
負担額合計(月額) | |
以上~未満 | 健康保険 | 介護保険 | ||
230,000~250,000 | 11,964 | 1,860 | 19,694 | 33,518 |
250,000~270,000 | 12,961 | 2,015 | 21,336 | 36,312 |
270,000~290,000 | 13,958 | 2,170 | 22,977 | 39,105 |
290,000~310,000 | 14,955 | 2,325 | 24,618 | 41,898 |
310,000~330,000 | 15,952 | 2,480 | 26,259 | 44,691 |
330,000~350,000 | 16,949 | 2,635 | 27,900 | 47,484 |
350,000~370,000 | 17,946 | 2,790 | 29,542 | 50,278 |
370,000~395,000 | 18,943 | 2,945 | 31,183 | 53,071 |
395,000~425,000 | 20,438 | 3,178 | 33,645 | 57,261 |
425,000~455,000 | 21,934 | 3,410 | 36,106 | 61,450 |
455,000~485,000 | 23,429 | 3,643 | 38,568 | 65,640 |
485,000~515,000 | 24,925 | 3,875 | 41,030 | 69,830 |
515,000~545,000 | 26,420 | 4,108 | 43,492 | 74,020 |
545,000~575,000 | 27,916 | 4,340 | 45,954 | 78,210 |
575,000~605,000 | 29,411 | 4,573 | 48,415 | 82,399 |
605,000~635,000 | 30,907 | 4,805 | 50,877 | 86,589 |
※詳しくは都道府県別・標準報酬月額表をどうぞ。
例えば、基本給25万円の人が、4月・5月・6月に10万円分の残業代を貰って、他の月は残業がゼロだったとします。その場合、負担額は月額50,278円、年間で603,336円です。4月・5月・6月の残業がゼロだった場合、負担額は月額36,312円、年間で435,744円です。年間でその差は167,592円。
上記の例では、4月・5月・6月に合計30万円分の残業をすると、保険料が167,592円増えるということになります。で、私みたいに厚生年金が破綻すると思っている人から見ると、この167,592円はドブに捨てているのと同じことなので、30万円分の残業をしても、その価値は半分以下になってしまうわけです。もちろん、厚生年金が破綻しなければ得をすることにはなりますが。
そんなわけで、4月・5月・6月の残業代が大きくなりがちな会計SEは、厚生年金についてちょっと知っておいた方がいいというお話でした。