消費税増税法案可決、システム対応のチェックポイント
昨日2012年6月26日、消費税増税法案が可決されました。世の中は経済的な議論が活発になされていますが、当サイトではシステム対応について考えてみましょう。
目次
消費税増税法案の内容
NHKニュースによると、法案の内容は以下の通りのようです。
・平成26年4月1日に8%に引き上げ
・平成27年10月1日に更に10%に引き上げ
・食料品などの税率を低く抑える「複数税率」についてはこれから検討
既存システムの内容を確認しよう
システム屋としてまず行うべきなのは、現状の制度会計システムの仕様確認です。私が思うに、既存システムの消費税対応には以下のようなパターンが考えられます。
1: 5%しか入力できない
2: 税率を年度毎にしか変えられない
3: 会計期間毎に1つの税率しか使用できない
4: いつでも複数の税率を選択可能
これに対して、上に書いた法案の内容から考えると、制度会計システムでは複数税率の混在を可能にしなければなりません。これらについてコメントしていきましょう。
1: 5%しか入力できない
現行の5%しか入力できない場合。これは最悪です。仕訳入力のインターフェースだけでなく、仮受消費税・仮払消費税算出のロジックなど、込み入った改良が必要になりそうです。特に、様々なところに5%がハードコーディングされている可能性がありますので注意注意。
2: 税率を年度毎にしか変えられない
これも意外とありがちに思えるケース。これまで、消費税が3%になったのは1989年4月1日、5%になったのは1997年4月1日と、変更タイミングは2回とも年度頭でした。今回、10%への引き上げは2015年10月1日と「期中」にあたります。なので「年度毎」にしか消費税率を設定できないシステムはアウトです。
3: 会計期間毎に1つの税率しか使用できない
これもなくはないかなと思います。税率そのものは変更できるし期間も自由に切れるけど、1つの期間に1つの税率しか設定できないケース。これだと、食料品は税率を軽減するなどの複数税率に対応できません。
4: いつでも複数の税率を選択可能
これが理想ですね。逆にいえば、新しい仕事は取れないわけですが・・・。ただ、これまでとは異質なマスタ(消費税率マスタ)構成になるので、お客さんの不安を「煽って」、テストの仕事を発注してもらうことはできるかもしれません。
そんなわけで、まずは制度会計システムの仕様を早急にチェックしましょう。平成26年4月1日の8%への引き上げまで、あと21ヵ月です。提案内容の取りまとめや契約手続きなんかも含めて考えると、あんまり余裕って感じじゃないですよね。これからしばらくは会計SEは忙しくなりそうです。
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