「数理計算上の差異」とは何か

企業年金とはなにかという記事を書きましたが、企業年金の業務の中で「数理計算上の差異」というコトバが出てくることがあります。これは何なのか説明しましょう。

期待していた運用成績と実際の運用成績の差異

これは、ザックリ言えば、企業年金基金が行う資金運用での、期待していた運用成績と実際の運用成績の差異のことです。ただそれだけ。知ってしまえばカンタンですね。

要するに「期待していた運用成績をあげられたのか」という意味になるわけで、ニュースとかではクローズアップされるコトバではあります。「運用成績が悪い」ということを、堅く言うと「数理計算上の差異が大きい」とか言うわけですね。

なお、この数理計算上の差異は企業側の会計にも反映されるのですが、従来の方法としては、この差異は期ごとに一気には費用計上されず、数年かけて徐々に償却されていました。企業の決算短信には注記の部分にこんな感じに記述されています。下記は上場しているいなげやの2013年3月期の決算短信の21ページ目からの引用です。

数理計算上の差異については、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(7年)による定額法により、発生時の翌連結会計年度から費用処理しております。
引用元:いなげや平成25年3月期決算短信

しかしこれが、2014年3月期からは「償却」ではなく全額計上しなければならなくなります。つまり、2014年3月期以降は、企業年金の費用、勘定科目で言うと退職給付費用がドーーーーンと乗っかってくるのです。怖いですねー恐ろしいですねー。

そのドーンと乗っかっちゃうことに関しては別の記事で書きたいと思います。

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