「赤字でもいいから売ってこい!」の意味
決算が近づいてくるとどの会社も慌ただしくなりますよね。目標としている数字を達成するために、色々な号令がかかります。そういった中に、「赤字でも売って良い!」というセリフが、営業部長さんとかから出てくることがあります。赤字って損をしているわけで、それでも売ってしまえってどういうこと?って、腑に落ちないまま、言われたとおり赤字商品を売っている営業マンさんも多いと思います。これについて説明してみましょう。大きく分けて2つの場合があります。
その1:資金繰りが苦しい場合
資金繰りが苦しい場合。これは最低です。「赤字で売ったら損してるけど、目先の支払いの為に一刻も早く現金が欲しい」という場合です。こういう状態は相当にヤバい状態です。ちょっと転職情報誌とかを買って倒産に備えた方がいいかもしれません。
その2:営業利益は赤字だけど、貢献利益は黒字だから売りたい場合
管理会計ブログである当ブログで説明したいのはこちらです。以前、限界利益(貢献利益)とはという記事を書きましたが、「利益」にも色々あって、同じ商品でも、利益の種類によって赤字であると同時に黒字であったりします。よくあるケースが、「営業利益は赤字、限界利益は黒字」という場合です。直接的な原材料と売上の関係としては黒字だけど、本社費などの間接費のせいで赤字になっている商品。限界利益が黒字であるならば、基本的には売っても良いという判断になります。また、たくさん売ることで商品1つあたりの間接費負担額が減り、営業利益が黒字に転換することもあります。
そんなわけで、限界利益(貢献利益)が黒字なら、営業利益が赤字でも、売った方が得な場合は多いのです。