管理会計独特の利益の概念として、「限界利益」という言葉があります。
「貢献利益」も、限界利益と同じものです。

限界利益の概念

例を挙げると。

ソーセージを1本60円で仕入れて、店頭で焼いて1本100円で売りました。
このソーセージの限界利益は、100円 – 60円 = 40円です。

これだけです。簡単ですね。
「限界利益」って名前だけ聞くとなんじゃそれって思う人も多いと思うんですが、ごく簡単な概念です。
要するに、「商品を1つ売った時の利益」です。

ここで注意!
限界利益の「限界」という言葉をどう捕らえていいのかよくわからないと思いますが、そこに意味を求めてはいけません。
限界利益は英語では「marginal profit」というらしく、これを直訳すると「限界利益」になるようなのですが、日本語のニュアンスを考えてつけた名前ではないようです。
偉い学者さんが付けた、わけのわからん名前なんだ、とだけ思って暗記しましょう。

で、次に限界利益から固定費を引きます。
ここで言う固定費とは、「製品を作っても作らなくてもかかる費用」です。

限界利益から固定費を引くと、営業利益になるのですが、
この管理会計で言う営業利益と、財務会計で言う営業利益は、一般には同じものを指します。

こちらのページで財務会計の利益の図を書きましたが、財務会計の営業利益までの図と、管理会計の営業利益までの図を並べてみるとこうなります。

なんとなくわかると思いますが、費用をグループ分けする切り口がちょっと違うわけです。

財務会計は

売上高 – 売上原価 = 売上総利益
売上総利益 – 販売費及び一般管理費 = 営業利益

ですが、管理会計では、

売上高 – 変動費 = 限界利益
限界利益 – 固定費 = 営業利益

と考えます。

それぞれの費用の具体例ですが、こんな感じです。

財務会計で売上原価、管理会計で変動費:製品材料の費用
財務会計で売上原価、管理会計で固定費:製造部門の給料

財務会計で販売費及び一般管理費、管理会計で変動費:(あんまり無い)
財務会計で販売費及び一般管理費、管理会計で固定費:経理部社員の給料

表にするとこうなります。

「財務会計で販売費及び一般管理費、管理会計で変動費:(あんまり無い)」と書きましたが、
「財務会計で販売費及び一般管理費、管理会計で変動費」って、言い換えれば
「製品との紐付きが弱くて、なおかつ製品の生産数に比例してかかる費用」となるわけで、
あんまりそういう費用って無いんです。
「製品の生産数に比例してかかる費用」なら、大抵は製品との紐付きは強いですからね。

で、上記表を最初の図に書き込むとこんな感じになります。

概念としては以上!です。

なんでこんな考え方すんの?

で、なんでわざわざ財務会計に無い「限界利益」なんて考え方をするのかというと、何を作り、何を作らないべきなのかわかりやすいからです。
基本的に、限界利益が赤字の製品からは撤退すべきです。

最初の例をもう一度書きます。

ソーセージを1本60円で仕入れて、店頭で焼いて1本100円で売りました。
このソーセージの限界利益は、100円 – 60円 = 40円です。

で、限界利益が赤字ってどういうことかというと、こんな感じです。

ソーセージを1本120円で仕入れて、店頭で焼いて1本100円で売りました。
このソーセージの限界利益は、100円 – 120円 = -20円です。

簡単ですね。
要するに、限界利益が赤字の製品は、売れば売るほど損をする、話にならない製品なんです。
製品ごとの限界利益を求め、「限界利益が赤字か否か」を見ることで、こういう話にならない製品をあぶりだすことができるわけです。

そんなの、わざわざこんな計算しなくてもわかるじゃん!と思うかもしれませんが、製品数が多くなるとこれがなかなかわかんないんです。
財務会計の世界では、さまざまな数字の中に埋もれてしまうというか。
だからこそ、管理会計システムを作って「限界利益一覧表」みたいなものを作り、それを明らかにする必要があるわけです。

なお、もちろん、限界利益が黒字でも、その後の固定費(ソーセージを焼く人の給料とか、経理部門の社員の給料とか)を引いた後に黒字になってなきゃ駄目なわけですが、
その場合は少なくとも限界利益は黒字なので、
基本的な選択肢は「生産数・販売数を増やす」か、「固定費を削る」か、の2つになります。

ちなみに

ちなみに「限界利益」は財務会計の分野には出てこないですし、簿記3級とかにも全く出てこない言葉で知名度は結構低いので、だいたいの概念だけでも知ってると
「お、こいつちょっと知ってるな」
と思ってもらえるかも、です。


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