以前、限界利益(貢献利益)とは(ド素人向け)という記事を書きました。その中で「限界利益が赤字の事業は基本的に撤退すべき」と書きましたが、当然ながら実務的には数字だけで決めるのは危険です。少し説明しましょう。

数字だけで経営ができるならロボットにでもやらせりゃいい

限界利益が赤字の事業からは撤退すべき。教科書的にはその通りですが、それだけで判断するのなら経営はロボットにでもできちゃいます。実際には、限界利益が赤字でも続けていくべき事業もあれば、限界利益や営業利益が黒字であっても撤退すべき事業もあるはずです。

例えば、下の表のような収支になっているとしましょう。

事業A 事業B 事業C
売上高 1000 500 300
変動費 800 450 350
限界利益 200 50 -50
配賦した固定費 150 75 45
営業利益 50 -25 -95

この表を教科書的に考えると、事業Cは営業利益も限界利益も赤字だから問題外、事業Bは営業利益は赤字だけど限界利益は黒字だから一考の余地あり、という感じになります。

しかし、この図を見たらどうでしょう。見たことのある人が多いと思いますが、事業の成長曲線です。

もし、この図のように事業Cが導入期であるとしたら、だいぶ話が変わってきますよね。今は大赤字だけど、成長期がいつ来るのか、また来させるのか、そしてそれまでの赤字に耐える体力が会社にあるのか、といった論点になります。また、黒字である事業Aは衰退期に入っていて、切り捨てる時期を模索する必要がありますね。

こんな感じで、事業が成長曲線のどこにいるのか、という視点をちょっと入れるだけで、収支表の見方がかなり変わってきます。つまりは、限界利益が黒字かどうか、または営業利益が黒字かどうかだけで事業の良し悪しを決めるのは無理があるわけです。管理会計は経営を助けますが、それだけでは絶対的な指針にはなりません。だからこそ商売は難しい、とも言えるでしょう。


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