経理の把握が遅れがちな固定資産発生パターン その1 立替払い精算
私は呪われているのか、会計SEとしての人生のほとんどを、スクラッチ開発(パッケージ製品を使わないこと)された会計システムと共に歩んできています。会計っつったら最もパッケージ製品を適用しやすい分野じゃないですか。でも、私が経験したのはほとんどがスクラッチ。会計の中でもいろいろあって、パッケージ適用しやすい会計の中でも最もパッケージにしやすい業務が固定資産。でも、その固定資産システムでさえスクラッチだったんです。あれは苦しかった。
償却費再計算の嵐
固定資産システムで苦しいのは法改正が割と頻繁にあって、そのつど改修が必要なこと。もちろん会社的にはメシの種になるのでいいんですけど、現場で働く人間としてはたまったもんじゃありません。お客さんからは「法改正対応なんて当然でしょ」って顔されて全然感謝されないし。
で、人的リソースとして対処できなくなって、データの直接修正で回避することもしばしば。決算を迎えてヒーヒー言いながらハンド修正したら、後からまた新しい固定資産が発覚して償却費計算&ハンド修正やり直し、なんつーことも何度もありました。あれは苦しかったなー。
しかし「なんでこんなに発覚が遅れる固定資産が出てくるんだ?」と考えてみると、固定資産は把握が遅れる特徴があるなあと気づきました。いくつか挙げてみましょう。なお、工具器具備品に該当するものを買ったと仮定します。
立替払いでの精算
立替払いの場合。立替と言えば聞こえはいいですが、買うか否かのお伺いを立てずに、社員が必要だと思ったものを勝手に買ってきちゃう場合があります。理由は色々ありますけど、たとえば決算目前でパソコンが壊れて、急いで調達しなきゃいけなかったとかね。仕方ない理由がある場合もあります。
で、いずれにしろ社員が勝手に買ってきたものは、その社員が申請してこないと把握しようがありません。なので、その社員が経理的に気が利くタイプでなければ、締めに影響する場合があります。
また、部門長などの高給取りな社員の場合、買ったものを申請するのが遅い傾向があります。私がベンチャー的な会社で経理をやっていた時には、半期締めや年度締めの時には各部長や役員の人に、何かわけわかんないものを買ってないか対面・口頭できつく確認していました。上位者に強く言うのは怖かったですけど仕方なくやってましたねー。実際にいくつか「あ、そういえば買ったよ」みたいなことが発覚したことがありました。
なお、仕訳は以下のようになります。まあ、会社の方針により色々と変わりますけどね。
精算したとき:
工具器具備品 / 現金or預金
このシリーズは色々とあるので順次様々なパターンを書きます!
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