めんどくさい「区分経理」の例
区分経理とは何かって記事を書きました。要するに、消費税で得をしたいのなら、事業ごとにちゃんと区別して金勘定しろよってハナシなわけですが、これを実際に経理の現場に当てはめようとすると割と面倒なことが起こります。「難しい」というよりは「面倒」という感じです。
考えられる例を出してみましょう。
電話代
電話代に関して、事業ごとに、つまり部署ごとに代金がわかるようになっているでしょうか?比較的会社が小さい場合、会社全体で一つの電話番号しか持っていないこともままあるでしょう。
もしそうだった場合、部署ごとの電話代がわからないということになります。そうなると事業ごとにかかった電話代がわからないので、区分経理が実現できず、有利な個別対応方式を適用できなくなってしまうかもしれません。
なので、消費税対応のために、部署ごとの新しい電話番号を取得する必要があるかもしれません。
電気代
電気代。あなたの会社のビルには、部署ごとの消費電力がわかるようなメーターがあるでしょうか。もしなければ、部署ごとの、つまり事業ごとの消費電力がわからないので、区分経理ができません。
なので、消費税対応のために、部署ごとに消費電力メーターを付ける必要があるかもしれません。メーターを付けるのが現実的ではなければ、何らかの筋が通った理屈で電気代を按分し、部署ごとの電気代を算出する必要があるでしょう。
書庫用キャビネットの費用
あなたの会社に書庫はあるでしょうか。おそらくそこは、様々な部署の資料が一つの部屋におさまっているでしょう。そこに、例えば新しいキャビネットを追加した時、そのキャビネットの費用はどの部署のための費用か特定できるでしょうか。区分経理を実現するためには、そのキャビネットの利用部署を特定して管理しなければなりません。
・・・と、3例ともやや誇張して書きました(笑)。この3例は考え方の方向としては合っていますが、おそらく「少額なのでそこまで厳密な区分経理はやらなくてOK」ということになると思います。もちろん、これらの用途でも金額が多きければやらなきゃいけなくなるかもしれませんよ。例えば書庫が数千平方メートル単位で存在するとか。
逆に言えば、そこまでやらなくていいよねってことを、事前に税理士や税務署に相談して言質を取っておくことが大切です。後からひっくり返されたら大変ですからね。こういうところでも、事前の根回しが大切です。
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