新人を、何の教育もせずに会計関連システムのプロジェクトにブチ込むとどうなるか

前回、新人を会計知識の教育無しで会計関連システムのプロジェクトにブチ込むなという記事を書きました。これ、実は私の経験から書いた記事です。私は会計知識の教育を一切されないまま、会計システム構築のプロジェクトに投入されました。その時の苦しい経験を書きましょう。

何もわからない・・・


Depression / Cubmundo

前回の記事で書きましたが、会計の分野は最初の第一歩の知識がどうしても必要です。その教育を受けさせてもらえなかった私は、とても辛い経験をしました。

もちろん、何の教育も受けられなかったわけではありません。私の上司は、私を「Oracle技術者」と育てたかったらしく、DB関連の知識を叩き込まれました。おかげで、入社半年程度で、何とかDB管理はそこそこできるようになりました。

でも、お客さんとの打ち合わせでは何も理解できないままでした。カンジョウカモクって何?カリカタって言葉が何回も出てくるけど、どういうこと?そんな低レベルな疑問が常に頭の中を回っていました。勇気を出して先輩社員に意味を聞いても、その説明の中も知らない言葉が大量に出てきて、何度聞いても理解できませんでした。そして私は自信を無くし、自分の無能さを悟られたくなくて質問しなくなりました。そしてそのまま、仕事を進められないプレッシャーと自分の無能に耐えられず、鬱になり、休職し、会社を辞めました。

今思えば。

今思えば、私への教育はうまくいくはずがなかったなと思います。会計は、未経験者にとっては最初の障壁がかなり高いのです。例えば流通のシステムなら、なんとなく「倉庫から荷物をトラックに積んでどっかに運ぶんだよな」って程度の想像はできて、それが取っ掛かりになって少しづつ知識が増えていきます。が、会計は、前提知識を学ばないと「とっかかり」がほぼありません。極めてOJTしづらい業務だと思います。

私が「あ、俺がやってる仕事は『簿記』っていうのを勉強すれば理解できるんだ!」と知ったのは、入社して3年目に入った頃でした。それまでは毎日終電orタクシー帰りでしたから、「なんで俺はこんなにお客さんの話を理解できないのだろう?」と振り返る余裕がなかったんです。まあ、本当に私が無能だったのかもしれませんが・・・。ってか、それまで『簿記』って言葉を全く聞かなかったのが不思議でたまりません。そりゃあデスマるよなと思います。

もちろん、新人教育をする暇など無い、という会社もたくさんあると思います。もしそうなら、せめて「会計は、『簿記』の勉強をすればいいんだぞ!とりあえず簿記3級を取れ!」という言葉だけ言ってあげて下さい。その一言が有るか無いかで、その新人さんの将来は大きく左右されるかもしれませんよ。

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