会計におけるキャッシュとは何か

キャッシュって言葉がありますよね。キャッシュ。みんななんとなくわかりますよね。でもそういえば改たまったこと書いてるウェブサイトがあんまりないような気がしたので書いてみます。

目次

会計に関係ない人向けの説明

まずは、会計を仕事としていない人向けに説明しましょう。

会計における「キャッシュ」とは、現金(コインと紙幣)と銀行預金のことです。

はい、おしまい。

会計に携わっている人向けの説明

上記の通り、キャッシュとは普通は現金と銀行預金のことを指します。現金ってのは会社の経理部の金庫に入ってる、普通に日常的に使うコインと紙幣のことです。そして銀行預金もまあわかりますよね。普通預金とか当座預金とか定期預金とかいろいろありますが、銀行口座に入ってるお金はだいたいキャッシュと呼びます。

「キャッシュ度」

ただ、込み入った話をする場合はいろいろとニュアンスが変わることがあります。会計を深く知っている人なら、勘定科目ごとになんとなく「どのくらい現金に近いか」という「キャッシュ度」みたいな感覚を持っています。そして、BS(貸借対照表)に並ぶ勘定科目は、キャッシュ度が高いものが上に並び、低いものが下に並びます。試しにトヨタのBSを見てみましょう。下記リンク先の10ページ目にBSの資産部分が載っています。
トヨタ2015年3月期第三四半期決算要旨

一番上に「現金及び現金同等物」と書いてあります。文字通りの現金と、現金同等物ですね。現金同等物ってのは、まあだいたい普通預金のことです。

現金の下は定期預金。定期預金は現金そのものじゃないし期間を定めて預けるものだけど、利息を捨てて解約しちゃえばすぐ現金として引き出せるから、キャッシュ度は高いですね。

その次が有価証券。有価証券は比較的売買しやすいからここに載ってます。なお、売買しづらい有価証券や、そもそも売買する目的ではない有価証券に関しては、単純な有価証券ではなく、「投資及びその他の資産」のカテゴリの有価証券として載ったりします。

その次が売掛金。売掛金は期日まで現金が入ってこないし、取引先が倒産したらパーになるリスクがあるので定期預金や有価証券よりもキャッシュ度が低いと判断されてこの位置にあります。

そんな感じでずらずらと勘定科目が並んでます。

状況によってそれぞれの勘定科目の「キャッシュ度」は変わってくる

最初に書いた通り、普通はキャッシュと言ったら現金と銀行預金です。しかしそれ以外でも、状況によってキャッシュ度を高めることで他のものをキャッシュと呼ぶこともあります。

例えば売掛金。最近は「債権流動化」とかでソッコーで低リスクで現金化できる仕組みがあります。その仕組みを導入している会社にとっては、売掛金を持っていることはキャッシュを持っていることとほぼ同じってことで、売掛金をキャッシュと呼んじゃうこともたまにあります。

また、預金であってもキャッシュと呼ばない場合もあります。たとえば固定性預金。固定性預金って、いわゆる定期預金なんですけど、何らかの条件を銀行から提示されていて、解約しづらい定期預金のことです。たとえば、その定期預金を解約したら貸付金を即刻全部返すとか。そういう条件付きの定期預金も中にはあって、そういうのだと現金化できないのでキャッシュの仲間から除外したりします。

そんな感じです。

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