東芝の粉飾で、会計士との緊張関係を思い出した

東芝が粉飾決算をしたようですね。「不適切会計」とかって言葉が出てきたりしてますが、私としては粉飾決算と言っておきます。

会計士って何してんの?

東芝がやったことは色んなとこで報道されてるんで詳しい説明は省きますが、こちらのサイトは割とわかりやすく解説されてるかな。
東芝の不適切会計の内容とは?工事進行基準とは何? | mjdsk.jp

工事進行基準の基本的なところについては、当ブログでもちょこっと書いてます。
工事進行基準とは何か

で、東芝。東芝がやったことは、利益の前倒し計上です。例えば、2016年度に計上すべき利益を、2015年度に計上しちゃったってことです。直近の株主総会で株主から「目標未達じゃねーか!!!ドアホが!!!!!」って怒られるのが怖いから、未来に計上すべき利益を直近の利益としちゃったわけです。

それで、少し会計や経済を知った人は、「監査法人とか会計士とかは何やってたんだ??」と気になっているようです。東芝の監査法人は新日本有限責任監査法人。超有名な監査法人です。

監査法人は、会社の決算をチェックしてお墨付きを出す役割。「ちゃんと会計やってる?変なことしてない?」って確認してくれる人たちです。

私の経験では、アロワナ事件があって、「ああ、こうやって監査法人は会社を健全に保ってくれるんだな」って感じました。つまり、それなりの倫理観を持って仕事をしている人にとって、監査法人は「味方感」がある人達です。色々と資料出してくれって言われて対応はめんどくさいけど、会計について何も知らずに無理難題を言ってくる社長とかに対抗してくれる大切な存在です。

しかし、新日本監査法人は、東芝の会計を健全に保てなかった。ちゃんと仕事をしてなかったということになります。

でも一方で、監査法人を擁護する声もあります。曰く、「監査法人の監査は、会社側が適切に会計を行なっていることが前提だ」と。そうなのでしょうか。

いや、もちろん会社側が不適切な会計やってたら、もちろん問題ですよ。でも、いわば監査法人は警察みたいな立場でしょう。一般市民は犯罪を起こさずに毎日を過ごすのが前提だけど、その前提が崩れ、実際に犯罪が起こった時こそ警察が本領発揮する場面と言えるんじゃないでしょうか。その意味で、新日本監査法人は最も重要な時に、期待される仕事をしなかったことになります。

会社側が適切に会計を行なっているという前提が常に成り立つのなら、監査法人は要りません。その前提が崩れがちであるからこそ、監査法人が必要なのです。

末端の経理を経験した人間としてはそんな感じに思うんだけど、どうだろ?

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