税務における引当金の処理

「引当金」と名前のつく勘定科目が色々あります。初学者の方にとってはちょっとわかりづらい勘定科目ですが、そこに税務が絡んでくると更に面倒なことがあります。少し説明しましょう。

会計上の引当金の基本

まずは会計上の引当金の位置付けをおさらいしておきましょうか。引当金って、将来発生する可能性が高い費用に対して、先に計上しておく費用ですよね。典型的なのが賞与引当金。賞与引当金を計上する時は、こんな仕訳を切ります。

賞与引当金計上の仕訳

借方 貸方
賞与引当金繰入額 100,000 / 賞与引当金 100,000

で、借方の賞与引当金繰入額が費用科目として認識され、会計上の費用となるわけです。

引当金繰入額は税務上の損金にならない

ですが、この賞与引当金繰入額は税務上の損金にはなりません。その具体的な処理については、税効果会計の仕訳はこんな感じだの記事をどうぞ。

ザックリ言えば、上記の仕訳の10万円は、税引前利益から法人税を算出する際に控除されます。例えば、税引前利益が200万円だったとしたら、この賞与引当金繰入額の10万円が費用から控除され、つまり費用が減って利益が増えて、法人税を算出するための所得の額は税引前利益200万円に10万円を足して210万円になります。

損金に入る引当金繰入額もある

但し、税務上の損金に入る引当金繰入額も少しあります。税務上の損金に入る引当金は下記の2つです。

  • 貸倒引当金
  • 返品調整引当金

逆に、下記のような引当金は、通常の引当金の扱いで、税務上の損金にはなりません。

  • 賞与引当金
  • 退職給付引当金
  • 特別修繕引当金
  • 製品保証引当金

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