税効果会計の処理って何をしてんの?(ド素人さん向け)って記事で、ド素人さん向けに税効果会計の概略説明をしました。税効果会計では当期純利益の調整が行われるわけですが、会計上の数字の調整が入るということは、当然、仕訳も発生します。その仕訳を書いてみましょう。

仕訳は単純

例として、税効果会計の処理って何をしてんの?(ド素人さん向け)と同じ会社を挙げて説明しましょう。下記のような状態の会社があったとします。税効果会計適用前の数値です。法人税率は40%と仮定しています。2012年度の損益計算書だと思って下さい。

税引前利益200に対して法人税が120かかっていますが、これは、税務上の所得は税引前利益の200ではなく、賞与引当金を損金算入から除外した残りの300になるためです。300の40%で法人税が120になっています。

表A:損益計算書(仮)
  2012年度
金額
(税効果会計適用前)
売上 1000
売上原価 500
給与 200
賞与引当金 100
税引前利益 200
法人税 120
当期純利益 80

そして、この状態で税効果会計を適用すると、法人税が税引前利益200の40%の80になるように調整することになります。損益計算書は次のようになります。

表B:損益計算書(税効果会計適用前後対比)
  2012年度
金額
(税効果会計適用前)
2012年度
金額
(税効果会計適用後)
売上 1000 1000
売上原価 500 500
給与 200 200
賞与引当金 100 100
税引前利益 200 200
法人税 120 120
法人税等調整額 -40
法人税等合計 120 80
当期純利益 80 120

表Bの税効果会計適用前後でどのような仕訳を切ったかというと、こんな仕訳です。これで法人税に40の調整を入れ、その結果、会計上の法人税の認識金額を80にしています。

税効果会計(法人税調整)の仕訳
(2012年度)
借方 貸方
繰延税金資産 40 / 法人税等調整額 40

仕訳は単純。簡単ですね。

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繰延税金資産の消し込み

ここで、法人税等調整額の相手科目として繰延税金資産が出てきましたね。これは資産なので、後で消し込まれます。その消し込みについても書きましょう。

今回の例の場合、賞与引当金が元で税効果会計の処理をしました。で、その賞与引当金は、いずれは賞与が支払われて消し込まれます。そのタイミングで、繰延税金資産も消し込まれます。

2013年度の損益計算書は下記の右の列のようになります。賞与引当金が2013年度に消し込まれたと仮定して書いています。また、2012年度は賞与が発生せず、2013年度は引当分の賞与を支払い、賞与引当金は計上しなかったと仮定しています(現実的ではないですが、話を簡単にするためです)。

表C:損益計算書(2期対比)
  2012年度
金額
(税効果会計適用後)
2013年度
金額
(税効果会計適用後)
売上 1000 1000
売上原価 500 500
給与 200 200
賞与 0 100
賞与引当金 100 0
税引前利益 200 200
法人税 120 80
法人税等調整額 -40 40
法人税等合計 80 120
当期純利益 120 80

この時、2013年度には税効果会計の仕訳として下記の仕訳が切られています。やっていることは2012年度の単純な逆仕訳です。これで、2012年度の調整分を2013年度に吐き出しているわけです。

税効果会計(法人税調整)の仕訳
2013年度
借方 貸方
法人税等調整額 40 / 繰延税金資産 40

実際には、毎期、税効果を反映する仕訳を切ることになる

上記例は説明のためにかなり単純化していますが、実際には、2013年度は賞与引当金を積まないということは普通はないですよね。毎年、同じような金額が賞与引当金として計上され、その分の法人税等調整額も発生していくことになります。そのため、ザックリとしたイメージでいけば、法人税等調整額は毎年貸借同じような金額が発生し、ほとんど相殺されていきます。

逆に言えば、ちょっとイレギュラーな大きな取引が発生した時にはこの税効果会計があるとないとでは結果が大きく変わります。なので、税効果会計というのはそういった状況に備えるための考え方だと思ってよいでしょう。


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