税効果会計において、「将来減算一時差異」という言葉があります。説明しましょう。

税効果会計における3つの差異

そもそも税効果会計というのは、会計上の利益と税務上の所得の差を調整するものでしたね。で、将来減算一時差異というのはその差異の一種です。会計上の利益と税務上の所得の差には大きく3つの種類があります。一応挙げておきましょう。他の2つについては別記事で説明します。

a1180_014468

後で減算する差異

で、今回は将来減算一時差異について説明するのですが、これは何かというと例えば賞与引当金繰入額による差異があてはまります。

賞与引当金繰入額に関しては税効果会計の仕訳はこんな感じだの記事で書いていますので、その例を流用して説明します。もし、税効果会計の具体的な仕訳についてわかっていない場合は、上記記事を読んでからこちらへ戻ってきて下さい。

下記のような損益計算書の会社があったとします。

表A:損益計算書(仮)(2期対比)
  2012年度
金額
(税効果会計適用前)
2013年度
金額
(税効果会計適用前)
売上 1000 1000
売上原価 500 500
給与 200 200
賞与 0 100
賞与引当金繰入額 100 0
税引前利益 200 200

上記損益計算書内の費用のうち、賞与引当金繰入額は債務確定主義により税務上の損金として認められません。つまり、2012年度の税務上の所得は、税引前利益に賞与引当金繰入額の分の金額を加算することになります。また、翌2013年度については、2012年度の賞与引当金繰入額によって発生した繰延税金資産100を法人税等調整額として吐き出すことになります。そのため、所得を計算すると下記のようなります。

表B:税務上の所得計算(2期対比)
  2012年度
金額
2013年度
金額
税引前利益 200 200
賞与引当金繰入額による調整 +100 -100
税務上の所得 300 100

このように、賞与引当金繰入額が存在すると、2012年当期は所得を増加させ、翌期である2013年は所得を減少させることになります。このように、「後で所得を減少させる」という意味を込めて、賞与引当金繰入額のような勘定科目による会計上の利益と税務上の所得の差異を「将来減算一時差異」といいます。


売掛金を即現金化する(ファクタリング)