「管理会計仕訳」という言葉があります。仕訳って、直接的には制度会計(財務会計)をやるために切るのであって、管理会計が仕訳データを使うのは、ただ単に管理会計帳票を作りやすいからです。なのになぜ「管理会計仕訳」なんてものがあるのか?よくわからない人もいると思います。説明しましょう。

管理会計仕訳とは

管理会計仕訳とは、管理会計の世界の中で切る仕訳のことです。制度会計に反映させない仕訳です。要するに、制度会計の世界で仕訳を全部切って、税金の計算もして、財務諸表も全部作った後に、ちょこっと管理会計帳票上の数字をいじるために切る仕訳、という感じです。いわゆる「鉛筆ナメナメ」ですね。

なぜ管理会計仕訳を切らなきゃいけないのか

管理会計仕訳を切ることになる原因はいくつかありますが、最も大きな理由は、制度会計上の仕訳の数を減らして、仕訳の可読性を高めたい、ということです。

管理会計を意識した仕訳を切るとどうしても仕訳の数が増え、制度会計としての仕訳の可読性が損なわれることが多いです。例えば、給料の仕訳は

給料 1,000,000 / 預金 1,000,000 ・・・ A.

という仕訳になりますが、管理会計を意識すると、どの部署でいくらづつ給料が発生したのかを把握したくなります。すると、下記のような仕訳を切ることになります。

(経理部)給料 200,000 / 預金 1,000,000 ・・・ B.
(営業部)給料 300,000
(製造部)給料 500,000

しかしB.だと仕訳が複雑になるので、制度会計上はあまりやりたくないわけです。複雑な仕訳を乱発することは、スパゲッティーコードを書くことと似ています。「とりあえず動くけど、可読性が著しく悪い」のです。なので、制度会計システム上はA.の仕訳を切り、その後管理会計システム上で下記のような仕訳を切って、各部署に給料を振り分けます。

(経理部)給料 200,000 / 給料 1,000,000 ・・・ C.
(営業部)給料 300,000
(製造部)給料 500,000

貸借両方の勘定科目が「給料」になっていますが、間違えているわけではありません。このC.の仕訳が管理会計仕訳です。A.では部署の指定をせずに入力していた給料1,000,000円を振り替えて各部署に振り直しているわけです。これで、制度会計システム上はA.の仕訳だけが残り、管理会計システム上はA.に加えてC.の仕訳を加味して、各部署に振り分けられた給料に基づいて配賦計算や帳票出力ができます。

このように使われるのが管理会計仕訳です。是非とも覚えておいて下さい。


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