なぜ管理会計と制度会計(財務会計)は分離しているのか

会計の仕事をしていない人から見ると、制度会計だけでもよくわかんないのに、その他に管理会計なんていう別の会計があるのを知ると「もういい加減にしろ!」と思ったりするんではないでしょうか。制度会計だけやってりゃいいんじゃないの?と。それでは、なぜ管理会計というものがあるのでしょう。

細かく見たいから


Woe is us / Paul Lowry

たとえば、飲食店を多店舗経営している場合。当然、会社全体の材料を一括契約して、大量仕入れで安くあげたりするでしょう。その場合、当然、請求は一括の金額で請求されるわけですが、制度会計の世界では、その請求に対する支払いはたった一つの仕訳で表してしまいます。でも、各店舗が儲かってるのか、赤字なのかを判断するためには、各店舗毎にいくらの材料を使ったのかを知りたいはずです。

しかし、制度会計の世界では、「各店舗毎の仕入れ額」を把握する必要はありません。つまり、制度会計では不要なことを知りたいと言っていることになります。

ここに、管理会計の存在意義があります。制度会計では表す必要のない細かい数字を表すために、管理会計があるのです。

逆に、もし「ウチの会社では制度会計でも細かく仕訳入力する。契約と支払いが一本であっても、各店舗毎の数字を明らかにして仕訳を大量に切る。」と言うなら、管理会計は不要です。おそらく、世の会社の中にはそのような管理をしているところもあると思います。

ただ、一般的には管理会計と制度会計は分離しています。何故かと言えば、大量の仕訳を切ることはマンパワーも要求されますし、仕訳の可読性も損なわれるからです。要するに、管理会計の考え方で制度会計をやると、経理部がものすごく大変になっちゃうんですね。なので、管理会計は分離して、必要なところだけ細かく把握するのが一般的なのです。

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