勘定科目で「建設仮勘定」ってのがあります。初学者の方々にはちょっとわかりづらい科目ではないでしょうか。簡単に説明しましょう。

建ててる途中の建物

建設仮勘定とは、建ててる途中の建物のことです。固定資産に分類されます。

建物って、お金を払ったら一瞬で手に入るモノではないですよね。他の普通の固定資産、たとえばパソコンとかなら、お店に行ってお金を払ったらすぐ手に入って、すぐさま工具器具備品になります。でも、建物だとそうはいかない。建物を建てようとする場合、どっかの建設会社にとりあえず手付金を支払って、その後に何回も打ち合わせして、設計して、そのあと発注して、何ヶ月もかけて建設するじゃないですか。買おうと思ってお金を払ってから手に入るまでタイムラグがあるわけです。

建設仮勘定は、その建設途中の建物の価値を表しています。建物ってのは一般的に金額が大きいので、建設途中の建物もそれなりの価値があります。だから、会計的に見過ごすわけにはいかないんですね。

たとえば、建設会社と打ち合わせをして、発注して、手付金として3000万円支払ったとしましょう。そうすっと、仕訳はこうなります。

1.建物建築のために手付金3000万円を現金で支払った

借方 貸方
建設仮勘定 30,000,000 / 現金 30,000,000

そのあと完工して、そのタイミングで更に5000万円支払ったとしましょう。そうすると仕訳はこれ。

2.建物ができあがり、追加の代金5000万円を現金で支払った

借方 貸方
建設仮勘定 50,000,000 / 現金 50,000,000

そんで引き渡しを受けたら、8000万円貯まった建設仮勘定を建物に振り替えます。

3.建物の引き渡しを受けた

借方 貸方
建物 80,000,000 / 建設仮勘定 80,000,000
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償却しません!

あと、建設仮勘定の注意点は減価償却をしないこと。減価償却ってのは、原則として「使っていないもの」に対してはしないことになっています。これは建設仮勘定に限らず、全ての固定資産に対して言えることです。そんで、建設仮勘定は建ててる途中の建物なわけで、明らかに使っていないものですよね。何しろまだ出来上がってないんだから。そういうわけで、建設仮勘定は固定資産だけど減価償却しません。もちろん、出来上がって「建物」になった後は普通に減価償却します。

建物以外にも使われます

また、建設仮勘定のもう一つの注意点は、「建物」以外にも使われるということ。建設仮勘定は、「後で固定資産になるけどまだ完成していないもの」に全般的に使われます。たとえば、特殊なオーダーメイドの機械を発注した場合、その作ってる途中の機械にもこの建設仮勘定は使われます。

あとは、SE的には製造途中のシステムなんかがわかりやすいかな。スクラッチで作るシステムってのは、お客さん側から見ると、発注して手付金を払っても一瞬では手に入らなくて、SEさんたちが頑張って時間をかけて作るものじゃないですか。そうすると、そのシステムが出来上がるまでにお客さんが支払った代金はこの「建設仮勘定」に溜まっていき、完成&検収したタイミングで「ソフトウエア」に振り替えられます。

そんな感じです。覚えておきましょう。


売掛金を即現金化する(ファクタリング)
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