悩ましい配賦として、水道代の配賦があります。水道代は、業態によって使う量の差が激しいためです。例として、遊園地にある店舗を挙げましょう。

水を使う業態、使わない業態

遊園地には、いろんなお店がありますよね。レストランがあったり、お土産屋さんがあったりします。そして、おそらく水道代は遊園地全体で一括で支払っていると思います。その遊園地全体の水道代を、売上高配賦してもいいか?という問題です。

水は、当然ながらレストランの方が、お土産屋さんよりも圧倒的に多く使われます。レストランでは料理を作ることそのものにも水を使いますし、使い終わった食器を洗うのにも水を使います。それに対してお土産屋さんでは水をほとんど使いません。せいぜい従業員用のトイレくらいのものでしょう。つまり、業態によって水を使う量は大幅に違うのです。ですから、水道代のほとんどは、飲食業態の店舗に負担してもらうべきです。

ではどう配賦するか

これに対する現実的な解を示します。それは、配賦先の収支管理単位毎に「業態」の概念を持たせることです。水道代を配賦する際には、飲食業態の店舗だけを抽出し、その抽出した店舗だけを対象に、売上高配賦すれば良いのです。そうすれば、水道代は飲食業態の店舗だけに配賦できます。

その一方、「物販業態だって少しは水を使っているんだから、配賦額ゼロはおかしいんじゃないの?」と言う人もいるかもしれません。しかし、基本的にはその声には従わない方が良いでしょう。そもそも、配賦をする時点で完璧な収支把握をするのを諦めているのです。飲食業態に全て負担してもらう、というのが嫌なのであれば、結局、全ての店舗の水道メーターを調べて、その使用量を正確に把握してそれを配賦係数にして配賦するという事になってしまいます。これはおそらく、その使用量を調べるための人件費が多くかかってしまうので本末転倒です。もちろん、使用量の把握が簡単で費用がかからないのであれば、使用量を配賦係数とした配賦をするのがベストではあります。

配賦は割り切りなのです。一般的には、潔く割り切って、飲食業態だけに負担してもらうべきです。それが嫌なら、上記の通り、各店舗の水道メーターを読んでそれを配賦係数にするしかありません。配賦ロジックはこだわりを持ちはじめると複雑怪奇なロジックになったり、配賦係数を収集するためのコストが極端に多くなったりしがちです。お客さんがそうなりそうな時に、「その『正確な配賦』は、コストをかけてまでも実現する必要がありますか?」という問いを適切に投げかけてあげるのもSEの重要な役割だと思います。


売掛金を即現金化する(ファクタリング)