財務会計システムから管理会計システムへ流すデータ、流さないデータで書いたように、給与データを管理会計システムに取り込む際には注意が必要です。詳細を説明しましょう。

素直にやったらどうなるか

給与システムから管理会計システムに直接データ連動する場合、管理会計システムへのデータを流し込むと共に、給与データは財務会計システムへは手打ち等で仕訳入力されます。そのため、財務会計システム内の給与データを管理会計システムに流してしまうと、管理会計システム上で給与データがダブルカウントになってしまいます。つまり、この場合は、給与の科目のデータは財務会計システムから管理会計システムへは流してはいけないことになります。

つまり、勘定科目が給与のデータについて、データの流し込みを止めればよさそうに思えます。ところが、面倒な問題があります。出向者の給与です。

問題は出向者給与

もし出向者が一切いなければ、上記の通り給与の科目のデータ連動を止めればおそらく問題ありません。が、出向者の給与はちょっと話が複雑です。

出向者の給与は、一般に、出向先の給与システム上では管理されていません。

お金の流れとしては、出向元から出向先へ請求書を発行し(1.)、出向先から出向元へ請求書に基づいて人件費を支払い(2.)、出向元の会社が、A社に出向している社員に給与を支払います(3.)。つまり、A社へ出向している出向社員へ直接給与を支払うのはB社なのです。なので、A社に来ている出向社員の給料は、A社の給与システム上では管理されないのが普通です。

ここで、最初に出した図を少し修正したものを示しましょう。

出向者以外の給与は、上の給与システムから管理会計システムに流れてきます。同時に財務会計システムに手入力されますが、その分は管理会計システムに流すとダブルカウントになってしまいます。

一方、出向者給与については、B社からの請求書に基づいてB社へ支払います。これは給与システムとは関係なく財務会計システムに入力されるので、管理会計システムへ流す必要があります。

つまり、同じ給与の勘定科目のデータの中でも、直接の社員については管理会計システムに流してはいけないし、出向社員については管理会計システムに流さないといけないのです。同じ勘定科目に流すべきデータと流すべきでないデータが混在するわけです。

この判別は単純明快にできるようにしなければなりません。そのために、財務会計システムから管理会計システムへ流すデータ、流さないデータで書いたように、「管理会計に流す仕訳フラグ」みたいなフラグが必要になってくるわけです。出向者ではない普通の社員の給料の、財務会計システム上の仕訳は「管理会計に流す仕訳フラグ」をOFFにし、出向者の給料についてはそのフラグをONにする、というように経理の方に入力してもらうのです。

経理部社員の教育も必要

また、そのフラグを適切に立ててもらうには、経理部社員の方々に、管理会計システムへのデータ連動の流れについて理解してもらう必要があります。そのためのユーザ教育が必要です。ここでも経理部社員には負担がかかってしまいますが、管理会計をやるにはどうしても必要なことです。おそらく回避不能でしょう。やるしかありません。

なお、この記事では「出向者給与は出向先の給与システムで扱わない」という前提で書きましたが、もちろん、給与システムの仕様によっては出向者給与も出向先の給与システムで扱ってしまうという事も考えられます。ですが、あまり一般的ではありません。これについては別記事で書きます。


売掛金を即現金化する(ファクタリング)