「フローはPL、ストックはBS」の覚え方

たまに、PL(損益計算書)とBS(貸借対照表)について「PLはフロー、BSはストック」という言い方をされます。これも、会計に慣れない人にはよくわからない、悩み始めると止まらなくなる謎のフレーズですよね。少し説明しましょう。

「フロー」と「ストック」

PLとBSについて日付は下記のようになっています。

PL BS
フロー/ストック フロー ストック
日付 期間
例:2011年4月1日~2012年3月31日
時点(瞬間)
例:2012年3月31日
表すもの いくら儲けたか いくらあるか

PLは期間(例えば2011年4月1日~2012年3月31日)、BSは瞬間(例えば2012年3月31日)の数字を表します。まずこの感覚が身につかなくて悩む人も多いと思いますが、覚え方のコツがあります。上記表には「日付」と「表すもの」という項目ありますが、これを互いに逆につけると、ちょっと意味として変な感じになるんです。例えば、「2011年4月1日~2012年3月31日にいくらあった?」って聞かれても、答えに困りますよね。「いくらあった」というのはどこかの瞬間を切り取らないと表現のしようがないものです。逆に、「2012年3月31日にいくら儲けた?」と聞かれるのも、ちょっと変です。これは答えられそうな気もしますが、それは頭の中で「2012年3月31日00時00分00秒~2012年3月31日23時59分59秒の期間に」と変換しているからそう思えるだけです。例えば「2012年3月31日から2012年4月1日に変わる瞬間にいくら儲けた?」と聞かれると、答えに窮すると思います。

「フロー」と「ストック」で悩む人は多いと思いますが、このように、日付の表現と表すものを互いに逆に繋げてみると「何か変だな」と気づくことができます。わかりやすいのは、「2011年4月1日~2012年3月31日にいくらあった?」ですね。この文には誰も答えられないと思います。意味として変ですから。なので、「あ、『いくらあったか』を表現するには『瞬間』を切り取らなければならないんだ」と気づくことができます。

「PLはフロー、BSはストック」というフレーズを忘れてしまったら、「2011年4月1日~2012年3月31日にいくらあった?」という問いは何か変だよな、ということを思い出してみてください。理解の糸口がつかめますよ。

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