経理の把握が遅れがちな固定資産発生パターン その4 建造物建設

経理の把握が遅れがちな固定資産発生パターンを書いております。今回は4回目、建物などの建造物の建築。

建造物が建築された場合、固定資産としての把握の難しさは二つあります。

1.本社部門が地方の建造物を把握できるか

全国展開しているような企業で、経理機能を東京本社に集中させているところは割とたくさんあるんじゃないかと思います。仕訳を切る経理部門が東京にしかいないと言うことは、地方で何が起こっているかはなかなか把握できないわけです。

もちろんでっかいビルを建てるなら情報も入ってくるでしょうが、意外と気づかないものもあります。例えばこんな看板。
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これはおそらく「構築物」の科目の固定資産になると思いますが、これを地方の現場で「これって固定資産だよね」と気づけるか?というとなかなか難しいと思います。もちろん経理の知識のある人であればすぐわかるでしょうが、何しろ経理の機能を東京に集中させている会社では、地方にはそういう知識のある人はいない前提です。ちょっと無理ですね。

もちろん、そういったことを防ぐために「10万円以上のモノを買った場合は必ず稟議を通し、経理部に回覧する」みたいなルールを整備するのが普通ですが、ベンチャー企業で一気に拡大した企業なんかだと、そういったルールがきちんと整備されていない企業もよくあります。

2.完成日・使用開始日がわかりづらい

2つ目の困難な点として、建造物は完成した日と使用開始した日がわかりづらいです。その判断には、会計と建築の両方の知識を持った人が必要です。そんな人はそうそういないわけで、ムチャクチャ忙しい経理部のエースみたいな人を派遣しなきゃならなくなります。ただでさえ忙しい決算時期にそういう時間を捻出するのは難しく、その結果、決算締めが遅くなります。

ま、そんな感じです。正直な気持ちとしては、そもそも建造物は自社で持って欲しくないですね。外部の業者さんから借りる形にしてくれると経理部としてはものすごくラクです。そういう方面のテクニックも色々とあるのですが、またの機会に。

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