在庫管理の手法で、「先入先出法」「後入先出法」「移動平均法」という3種類の手法があります。説明してみましょう。

原価が変わる!

例えば、こんな感じに仕入れをしたとしましょう。

仕入 数量 単価 合計
4月1日 10個 110円 1100円
4月14日 15個 130円 1950円
4月20日 25個 100円 2500円

これに対して、4月末に10個の在庫が売れたとしたら、その原価はいくらになるか?という話です。この場合の原価は、考え方によって変化するんです。

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先入先出法の場合

先入先出法の場合、先に在庫に入ったものから先に出します。つまり、古いものから出すという考え方です。まあ、なんというかフツーの考え方ですよね。
4月末に10個の在庫が売れたとすると、上記の表の4月1日に仕入れた分を出して売った、とみなします。なので、原価は単価110円が10個で1100円です。

後入先出法の場合

後入先出法の場合、後から在庫に入ったものを先に出します。つまり、新しいものから出すという考え方です。ちょっと変な感じがしますよね。そう感じた方の感覚は正しいです。普通は使いません。
4月末に10個の在庫が売れたとすると、上記の表の4月20日に仕入れた分を出して売った、とみなします。なので、原価は単価100円が10個で1000円です。

後入先出法が活躍するのは、例えば急激なインフレが起こっている時などです。急激なインフレが起こるとモノの値段がどんどん上がっていくので、先に在庫に入ったものよりも後に在庫に入ったものの方が値段が高くなります。その状況下で、フツーにさっき説明した先入先出法で原価を考えてしまうと、インフレ分の利益も乗っかってものすごく儲かってるように見えちゃうんですね。なので、それを避けるために後入先出法を使うと良いとされています。まあ、いずれにしろ通常はあまり使わない考え方です。

移動平均法

移動平均法の場合、仕入れるたびに平均単価を計算し直します。さっきの表に、移動平均単価を書き加えてみましょう。

仕入 数量 単価 合計 在庫数量 在庫残高 平均単価
4月1日 10個 110円 1100円 10個 1000円 100円
4月14日 15個 130円 1950円 25個 2950円 118円
4月20日 25個 100円 2500円 50個 5450円 109円

この表の右端が移動平均単価です。それまでに仕入れて残っている在庫全ての仕入額と在庫数を把握して、仕入れるたびに平均単価を出し直します。これが一番公平に思えますね。
4月末に10個の在庫が売れたとすると、上記の表の4月20日の行の右端の単価を使って原価を割り出します。単価は109円なので、原価は10個で1090円です。

ただ、この移動平均法はなかなか実運用は難しいです。というのは、常に在庫数と仕入額を把握しておいて、仕入れるたびに移動平均単価を算出しなければならないからです。大抵の会社は毎日のように仕入れを行ってますよね。ということはこの移動平均単価の算出を毎日やらなきゃならないわけですよ。そうすると、いざ売るときにまだ移動平均単価を計算し終わってなくて原価がわからないってシチュエーションに陥ります。移動平均単価を算出し続けるには、かなり大掛かりなシステム化と、強い社員教育が必要になります。


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