シャープが「99%減資を行う」というウワサが日経新聞から流れています。たぶん本当なんでしょう。今回は、「99%減資」とはどんなことなのかをものすごくザックリ書いてみます。

株主が出した元手が減る

「減資」とは、株主が出している商売の元手を減らすことです。たとえば、100万円の元手で、100万円の商品を仕入れたけど80万円でしか売れなかったら、元手が100万円から80万円になっちゃいますよね。この「元手が減る」ことを「減資」といいます。ものすごくザックリ言うとですけどね。

で、今回の99%減資。これを書いている今、シャープの資本金は1200億円あります。シャープの決算報告書はこちら。で、本当かどうかわかりませんが、報道によれば資本金を1億円にする予定だそうです。1199億円分減資するわけですね。99%どころじゃありませんね。99.9%減資です。「商売の元手」を、おおよそ1000分の1にしちゃうわけです。

シャープの株主構成のページによると、これを書いている今、筆頭株主は日本生命保険相互会社です。持ち株比率は2.78%。この日本生命保険相互会社から見た、今回の99%減資について考えてみます。

日本生命保険相互会社が出している「元手」はいくら?

現代の資本主義において、株式会社は商売の元手を出している株主のものです。そんで、日本生命保険相互会社はシャープの株を全体の2.78%持っている。これはつまり、シャープの資産や利益の2.78%は日本生命保険相互会社のものということになります。また、資本金1200億円のうち2.78%である33億円を、シャープに対して商売の元手として出している、ということになります。

出資比率は変わらない

99%減資をされると資本金が減ります。今回は99.9%減資なので1000分の1になります。これにより、日本生命保険相互会社がシャープに対して出している商売の元手も1000分の1の330万円とみなされることになります。

ただ、減資では全ての株主について同じように「出している元手」が減ったとみなされるので、出資比率は変わりません。つまり、99.9%減資をした後も、シャープの資産や利益の2.78%は日本生命保険相互会社のものです。この点では、日本生命保険相互会社は損をしていません。

これから出資されると大打撃になる

問題になるのは「これから新たに出資された」場合です。たとえば私が100億円持っていて、シャープに出資しようと考えていたとしましょう。

減資前の資本金1200億円だった時に100億円を出資して株を買うと、私の持ち株比率は100億円/1300億円=7.7%です。シャープの7.7%しか私のものになりません。

しかし、1億円に減資した後に100億円を出資すると、100億円/101億円=99%となり、シャープの99%が私のものになります。逆に、日本生命保険相互会社の持ち株比率は330万円/101億円=0.03%となり、かなり小規模な株主になってしまいます。

減資したあとに出資されると既存株主には打撃になる

つまり、減資は、減資そのものでは株主にとって大きな影響はないけれども、減資に続いて外部からの出資が行われると持ち株比率が大きく減り、損であるということになります。

逆に言えば、外から見ると同じお金を出資するのであっても減資後に出資するとその会社の持ち分が大きくなるのでお得ということになります。つまり、新たな出資を呼び込みやすいということです。

なお、上記の通り減資後に出資されると既存株主は直接的には損をするわけですが、「新たな出資を受けてキャッシュフローを改善して商売を立ち直らせれば業績が良くなるかもしれない」と考え、減資に賛成する既存株主も中にはいると思われます。(ただ、今回のような99%減資だとあんまりいないかもしれませんが)

そんな感じです。99%減資の基本的な考え方でした!


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