消し込みとはどんな作業か
経理部のお客さんと話していると、「いやー、消し込みが大変なんですよ」とか、「消し込み作業が終わらなくて月次締めが遅くなっちゃうんですよ」とかって言葉がよく出てきます。あんまり難解っぽい言葉じゃないので聞き流しちゃう人が多いような気がしますが、具体的な作業をイメージできている人は意外と少ないんじゃないかな?と思いました。なので、ちょっと説明してみましょう。
「消す」作業
「消し込み」は、基本的に債権・債務の勘定科目の残高を消していく作業のことを指します。
例えば、10月1日に105,000円のものを何か売り上げ、10月15日に入金予定だとしましょう。そうすると、まずは売り上げた時の仕訳を切ります。
10月1日 | 売掛金 | 105,000 | / | 売上 | 100,000 |
仮受消費税 | 5,000 |
そして、10月15日に入金されたらこんな仕訳を切りますね。
10月1日 | 預金 | 105,000 | / | 売掛金 | 105,000 |
この2.の仕訳が「消し込みの仕訳」です。1.で借方(左側)に出てきた売掛金は、2.の仕訳で貸方(右側)に来て、1.と2.を合わせると売掛金は消えますよね。このように売掛金を消す作業を「消し込み作業」と呼びます。もちろん売掛金だけではなく、買掛金や減価償却費累計額など、あらゆる債権・債務の科目に「消し込み」という言葉は使われます。
上記の2の仕訳はサラっと書きましたが、この仕訳、経理の現場では切るためになかなか労力が必要です。というのも、膨大な売掛金と、預金通帳の入金を突合させて行かなければならないからです。
例えば、10月20日時点で下記のような売掛金が残っていたとします。
24,686 |
68,925 |
67,751 |
12,401 |
66,141 |
59,061 |
14,398 |
41,251 |
33,217 |
96,249 |
23,786 |
90,833 |
・ |
・ |
・ |
(こんなのが何百個もある) |
これに対し、同じく10月20日に下記のような入金があったとします。
66,716 |
68,925 |
82,468 |
20,991 |
53,240 |
24,864 |
72,242 |
2,293 |
3,615 |
41,251 |
73,593 |
7,192 |
・ |
・ |
・ |
(こんなのが何百個もある) |
これらの膨大な数の売掛金と入金を突合し、マッチングしていかなければならないわけです。しかも、全てマッチングするわけではなくて、入金期限を守ってもらえなくて予定通りの入金がない売掛金もあるし、お客さんが間違えた金額を振り込んできてしまって数字がズレている場合もあります。さらに、通販会社なんかだと同じ金額の売掛金が多数あることも多く、「大量の同じ金額の売掛金」と「大量の同じ金額の入金」をマッチングさせる必要があります。
この突合が成功したものだけが、上記2.の仕訳を切れることになります。そして、売掛金の数だけ、この2.の仕訳を切る必要があります。
この作業は大変なので、当然、この突合作業のシステム化を検討したくなるわけですが、なかなか困難です。というのも、振り込み元の人が金額を間違える可能性があるし、同じ金額の売掛金が複数存在することもあるからです。システム化しても、突合そのものを行うシステムではなく、経理部の人が突合を行うための参考情報を提供するためのシステムに過ぎないことが多いです。
そんなわけで、どこの会社の経理部でも、債権債務の消し込み作業には苦しんでいます。覚えておきましょう。
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