収支管理や業績評価をする際に欠かせないのが、収支管理単位の階層構造。どんな組織にも階層があり、その階層ごとの収支を把握したいと思うものです。

収支管理単位の階層構造の基本

この階層構造が最もイメージしやすいのが、小売業でしょう。例えばドンキホーテ。いや、例はどの会社でもいいんですけどね。全国展開している小売業の会社の一例ということで。もちろん、ドンキホーテ社内でどんな管理会計をやっているのかは私は知りません。全て想像です。

まずは左のツリーの右側から見ていきましょう。ドンキホーテのサイトを見ると、店舗は全国各地に展開されていますね。それぞれの個別の店舗の数字が挙がってきたら、地域ごとに集計して「どの地域が儲かってるのか」を見たいでしょう。つまり、「北海道・東北エリア」とか「関東エリア」みたいな集計単位が欲しいですね。また、ハワイにも店舗があって、おそらくこれから海外展開もして行きたいと考えているんでしょうから、海外部門は独立した1部門として集計したいでしょう。

で、国内事業部と海外事業部を集計して「ドンキホーテ」全体として儲かっているのか否か、の収支も見たいですね。

さらに、会社としてのドンキホーテはドンキホーテという業態だけを運営しているわけではありません。「長崎屋」とか、「ドイト」とかを運営しています。これらのそれぞれの収支も見たいでしょう。また、ドンキホーテは「ドイト」を2007年1月31日に子会社にして以来、ドイトの店舗をドンキホーテに次々と業態変更しています。その点で言うと「ドイト部門」の管理会計は、「利益をあげる」というよりは、「ドンキホーテに業態変更するための不採算店舗を見つける」という目的にフォーカスしているのだろうと思います。そういう数字の見方もあるということです。

そしてさらに上の階層に行くと、「通販部門」があります。これは小売業とは違うビジネスモデルですから、別管理したいはず。ただ、ドンキホーテの通販は「ドンキホーテ」のブランドを前面に押し出してやっているようですから、「小売事業部門」と並列に置くのではなくて、「ドンキホーテ部門」の下に置いているかもしれません。この辺は経営者の見たいように集計してあげるのが親切な管理会計システムですね。

階層構造は一つだけではない

上記は組織を主体にした階層構造を挙げましたが、もちろん階層構造は大抵一つでは済みません。例えば、左に書いたようなツリー。商品種別を主体とした管理会計です。上に例示したツリーは「どの組織が利益を生み出しているのか」を判断するために使うツリー。左に書いたツリーは、「どの商品が利益を生み出しているか」を判断するツリーです。こんな風に、様々な角度から分析したいはず。

想像を膨らませると、いろんな収支管理単位が思い浮かびます。例えば、店舗の1階と2階ではどちらが儲かっているか?とか、駅近の店舗と郊外型の店舗はどちらが儲かっているか?とか、誰が商品陳列をした棚が儲かっているか?とか。経営層の立場から言えば、知りたいことは山ほどあります。それに対して、管理会計システムでできることは限界がありますから、どんな収支管理単位を、どのくらいの深さまで必要なのか、を見極める必要があります。


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