以前、「固定費」と「変動費」についての記事を書きましたが、その固定費と変動費の区分けってどうすればいいのよって思う人も多いと思います。

基本的な考え方

基本的な考え方としては、収支管理単位の階層の上の方が固定費、下の方が変動費です。つまり、例えば本社部門の社員の給料は固定費、商品の仕入れ値や原料などは変動費とするのが普通です。

変動する「固定費」


しかし、その境目は明確ではありません。例えば、経理部の社員の給料は一般的には「固定費」ですが、ものすごく事業が縮小して、切る仕訳の数が少なくなれば経理部社員もある程度少なくて済むでしょうし、新事業が始まって特殊な会計知識が必要になった時などは新たに社員を雇う必要も出てくるでしょう。いわゆる「固定費」も、会社の状況によって増減はするわけです。じゃあ、どんな風に「固定費」と「変動費」を分けるべきかと言えば、結局のところ、お客さんがどれを「固定費」として認識したいか、どれを「変動費」として認識したいか、というところに尽きます。お客さんに、「固定費」「変動費」の具体的な条件を指定してもらうしかありません。なにしろ管理会計は何でもアリな会計ですから。

私なりの「固定費」「変動費」

上記の通り、両者の区分けはお客さんに決めてもらうしかないのですが、筆者の私なりの「区分けの仕方」があります。一例としてそれを紹介しましょう。

「固定費」と「変動費」の境目はどうやっても曖昧です。なので、私がお客さんに提案する場合は「固定費」「変動費」という2つに分けるのではなく、収支管理単位の階層毎にコスト把握することを基本にしています。

右の図のように各階層の費用に名前を付けます。パっと見でわかると思いますが、上に行くほど「固定費度」が高い、というイメージです。このように各階層で発生した費用にグループ名(「本社費」とか「事業部費」とか)を付け、帳票出力するようにしています。貢献利益をどこのコストまでを含んだものにするかを判断する必要がありますが、まあそこは割り切りで決めてしまえばいいと思います。私の場合は、赤の「本社費」だけを「固定費」として扱い、そこより下の階層で発生した費用は「変動費」として捉えて貢献利益を算出する、と一旦は提案してしまいます。それを土台に、お客さんと相談しつつ決めれば良いでしょう。


「固定費」「変動費」については管理会計の本を読むとサラっと書いてあるのですが、その区分けの判断を現場でするのは本当に難しいです。なので、放っておくと難解な判断基準になりがちなのですが、結局その区分けは一般の経理部社員が入力するわけで、ある程度「誰にでもわかる簡単な判断基準」にしておかないとデータ入力が追いつかなくなります。その意味でも、収支管理単位の階層毎に判断するのは比較的明快な判断基準であり、汎用性もあると思います。


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