「仕掛品」と聞いて、それがどんなものかよくわからない方、いらっしゃると思います。簡単に説明しましょう。

要するに作りかけの製品

仕掛品とは、要するに「作りかけの製品」とか「まだ売れない製品」とかです。例えば。

・まだドアが付いてない自動車
・こねたけどまだ焼いていないパン生地
・まだペットボトルに充填せずにタンクに入っているジュース
・発酵途中の納豆
・まだテストが終わっていないプログラム

などなど、とにかく「作りかけの製品」「まだ売れない製品」は「仕掛品」という勘定科目で表します。

仕掛品はめんどくさい。でも計上が必要。

なんで作りかけのモノを金額で表すなんていうめんどくさいことをするのか、なんか腑に落ちない方もいらっしゃると思いますが、この仕掛品を評価することは経営上とても大切です。なぜかというと、通常の生産活動で仕掛品がどのくらい存在しているのかを把握することが、どのくらい元手のお金を用意すべきなのか(資本政策)に絡んでくるからです。

仕掛品と元手の関係(資本政策)

例えば。ものすごい特殊能力を持っている杜氏さんが居て、米を一瞬で日本酒にして、一瞬で売ることができるとします。そして、最初の原料の米を1万円で買ったとしましょう。この場合、「作りかけの日本酒」は存在しないので、仕掛品はゼロです。最初に原料の米を買うだけのお金さえ用意できれば、米を用意して一瞬で日本酒にして一瞬で売って代金を受け取り、それを元手にまた米を買って・・・という風に、商売を回すことができます。最初に用意が必要なのは、最初の一回の米を買うための1万円だけです。用意する資本は1万円あればいいわけです。


しかし、当然ながら日本酒は一瞬ではできません。例えば、米を日本酒にするまで、発酵時間やらなんやらで1年かかるとしましょう。そして、できた日本酒はすぐ売れると仮定しましょう。そうすると、さっきの例と同じく、資本が1万円だと、1万円で原料の米を買って、1年かけて日本酒を作って売る。そして、売れたお金でまた米を買って、また1年経ったら日本酒ができて、それを売る・・・。これって、ものすごく悠長というか、効率の悪い商売ですよね。当然、毎日米を買ってきて、毎日仕込んで、毎日日本酒ができるようになっている方が良いわけです。しかし、それには最初の1年間、米を仕入れ続けて仕込み続ける期間を耐えるだけのお金が必要ですよね。毎日1万円分の米を買って毎日仕込むとすれば、365日分ということで365万円が必要になります。

ここで出てくるのが仕掛品の概念です。この、「1年かけて日本酒を作って売る商売」では、日本酒が出来上がって売れ続けている間、醸造庫では365日分の米を仕込んである状態が続いています。つまり、365万円分の米が製造途中になっている。この場合は365万円の仕掛品が存在しています。

365万円分の仕掛品が発生してしまうという事は、その365万円分の資本を投下しなければならないということです。このように、「どのくらいの仕掛品が存在するようになるか」ということは、最初に元手としていくら用意しなければならないか、その額に直結します。

また、商売の途中で技術革新があったりして仕掛品が少なくて済むようになれば、その少なくなった分の仕掛品は商品になって売れたはずで、その分、手元に現金が残ります。それを社員の給料にあてるも良し、何か別の新しい商売に投資するのも良し。仕掛品が圧縮できれば、会社の経営の自由度が高まります。その「経営の自由度」を測るためにも、この仕掛品の評価を行うのが重要になるのです。


売掛金を即現金化する(ファクタリング)