なぜ経理部と財務部は仲が悪いのか
私見ですが、経理部と財務部は仲が悪くなりがちな気がします。多分に主観が入った印象ですが(笑)、少し書いてみましょう。まあ、この記事はお気軽に読んで下さいってことで。
経理部と財務部は利害が対立する運命
ものすごく乱暴に言いますが、財務部の主な仕事は、資金の調達です。つまり銀行とかと交渉してお金を借りることです。それに対して経理部は、資金繰りの実務を担います。資金繰りの実務とは、つまりはある銀行から別の銀行へお金を移動したり、現場の支払いのための現金を用意したりすることです。そして、この両者の作業は常に利害が対立します。
財務部は「お金を借りる」のが主な仕事ですが、その一方で「いかに金利の支払いを抑えてお金を調達するか」ということも大事な使命です。つまり、財務部としては、基本的には借り入れは少なければ少ないほどいいんです。支払利息の額が小さくなるほど、財務部の評価は上がるはずです。
逆に、経理部では資金繰りの実作業をします。資金繰りをスムーズにするためには、現金が大量にあればあるほど楽です。つまり、経理部としては借り入れをガンガンしてもらって、現金や預金がジャブジャブあった方が楽なんです。
ここで、経理部と財務部の利害は対立します。経理部からすれば、「俺たちがこんなに苦労して資金繰りの現場を回しているのに、財務部の人たちはわかってくれない!」と思うし、財務部の人たちからすれば「金利支払を抑えるのは当然だ。経理部はもっと頑張ってくれないと困る!」という見方になりがちです。
この対立を避けるためか、最近は経理部と財務部を分けない会社も増えてきてる気がします。名前は「経理部」だったり「財務部」だったりしますが、「資金繰りの現場と資金調達を同じ部署にやらせる」ということです。
まあそんなわけで経理部と財務部は利害が対立する運命なので、両者はいがみあっていることが多い気がする、というお話でした。