管理会計システムと予算策定の関係で書いたように、管理会計にも予算はつきまといます。3月決算の会社なら、2月頃になれば翌年度の予算を組むために、経営企画室や経理部の社員は慌しくなってくることでしょう。その際、管理会計システムとしても予算の帳票を出すことが求められますが、それが困難な場合があります。典型的なのは、プロジェクト型企業の場合です。

どんな仕事があるのか予知できるわけがない


Lifelog project :. / jeanbaptisteparis

我々IT企業のようなプロジェクト型の会社だと、予算策定は極めて困難です。なぜかというと、前年度のうちに翌年度のプロジェクトが全て決まるわけではないから。当然ですよね。期中も、営業さんが頑張って走り回って仕事を取ってくるわけです。そのため、実際に行うプロジェクト全てに予算策定することは、事実上できません。そのプロジェクトは、予算策定のタイミングでは見えていないからです。では、どのように対応するべきでしょうか。

これはおそらく、個別のプロジェクト毎の予算策定は諦めるしか無いと思います。なにしろ、どんなプロジェクトが立ち上がるかは神のみぞ知るところだからです。なので、予算策定としては「部署毎の予算」とか「セグメント毎の予算」というメッシュでやるしかないと思います。イメージはこんな感じです。

期初の予算はこの考え方で組むしかないでしょう。

期中の予想収支はどう扱う?

また、期中に入って営業さんが仕事を取ってきたら、当然、そのプロジェクトについて予想収支を立てることになると思います。そうすると悩むのが期初に策定した予算との整合性です。期初に策定した予算はそれはそれで存在しますが、期中にどのくらいの仕事を取って来れるかがわからない中で作成した予算ですから、期中の予想収支の積み上げとは合うわけないです。さらに、実績の積み上げと期初予算も比較することになります。つまり、プロジェクト型企業に於いては、

  1. 期初策定予算(部門毎)
  2. 期中策定収支予測(プロジェクト毎)
  3. 実績収支(プロジェクト毎)

という3種類の数字が登場することになります。「予算」と「実績」の2種類だけではないので注意が必要です。そして、上記の1と2のどちらを正式な「予算」と呼ぶのか悩むことになると思います。

これは会社の色で様々で絶対的な正解は無いと思いますが、個人的な意見としては1を正式な予算と呼ぶべきだと思います。そして2の収支予測は入力・出力は可能にしておくけれども、正式な「予算」としては使わない、という方針でいけばいいのではないかと思います。会社全体の予実対比としては1と3の積み上げを比較し、プロジェクトがうまくいっているかどうかを把握するための帳票としては2と3を比較すれば良いと思います。

このように、プロジェクト型企業では「予算」と呼べそうなものが2種類(上記の1と2)登場するというのがポイントです。それぞれをどのように扱うのか、必ず確認しましょう。


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