勘定奉行とOBIC7の違い

勘定奉行とOBIC7。実際に業務で会計パッケージを入れるっつー話になって選定が佳境に入ってくると、「これ、どう違うの?」って疑問で悩むSEさんは結構いると思います。これについて、凡庸な会計SEである私がザクっと説明しましょう。

目次

信頼の日本製ERP

なんで勘定奉行とOBIC7で悩む場面が多いのか。それは、どっちもシェアが高いからですよね。どちらも日本製、国産ERPパッケージソフト。

ERPっつーと、ちょっと前まではSAPとORACLE E-Business Suiteとかがガンガン攻めて来てましたが、海外製ERPは帳票系が日本の文化と合わなくてカスタマイズしまくる必要があってデスマ連発、そんで嫌われてしまったっていう流れがあったというのが私の限られた経験の中での認識です。ともかく日本のビジネスの現場は海外製ERPになじむことができなかったんだよね。いいことかどうかわかんないけどね。

もしかしたら、日本のビジネスを海外製ERPに合わせるってのが正解だったのかもしれない。だったのかもしれないけど、ともかく日本はそれを選択しなかった。それが今。

そんなわけで、日本の文化の中で作られた国産ERPソフトはカスタマイズが少なく済んで安心できるっつー認識があります。

同一資本の別会社が作ったERP

そんで勘定奉行とOBIC7。勘定奉行の製造元は「株式会社オービックビジネスコンサルタント」。テレビCMでは「OBCの勘定奉行におまかせあれぃ」って言ってますけど、OBCってのは「オービックビジネスコンサルタント」の略です。一方、OBIC7の製造元は「株式会社オービック」です。そんで、「株式会社オービックビジネスコンサルタント」は「株式会社オービック」の子会社です。

あ、いや、今OBCのサイトの株式基本情報を見たらオービックの持ち株比率は33.68%だったから完全子会社ではないな。持分法適用会社のようです。オービックのIR見たらそう書いてあった。

勘定奉行は「高機能・カスタマイズ不可能」OBIC7は「低機能・カスタマイズ可能」

で、肝心の勘定奉行とOBIC7の違い。一言で言えば、勘定奉行は「高機能・カスタマイズ不可能」、OBIC7は「低機能・カスタマイズ可能」です。

勘定奉行はカスタマイズ不可能。そのかわり、機能がこれでもかってくらい付いてる。だから買って入れてそのまま使ってねっていう感じです。勘定奉行はAmazonに売っててクリック一発で手軽に買えることからも、その雰囲気を感じられますね。SEさんじゃなくても、普通の経理部で働いている経理社員でもなんとか一人でインストールして使って経理処理までできるってことです。

けど、OBIC7はAmazonには売ってない。これは、「OBIC7はコンサル&カスタマイズ前提」であることを表す一端だと私は思います。なお、本体価格もOBIC7は高いです。詳しくはオービックの営業さんに聞かなきゃわからないけど、私の遠い記憶では200万円から、くらいだった気がする。上記リンクのAmazonで売ってる勘定奉行は20万円ソコソコで買えますからね。だいぶ違いますよね。

勘定奉行も「アドオン」は可能

なお、これも重要な点なのですが、勘定奉行はカスタマイズはできないけどアドオンは可能です。仕訳データをCSVで吐き出させることはできるので、そいつを全く別の外部システムでいろいろやることはできます。

そういう意味では、「これから会計システムをサクっと入れたい」と考えている世の中小企業さんにとっては勘定奉行が多くの場合は最適解だと私は思っています。あとから色々やりたいと思ったら、とりあえず仕訳データは吐き出せられるのでいくらでも加工はできます。

また、奉行シリーズは周辺システムも豊富。OBCの製品紹介ページを見ればわかりますが、財務会計だけじゃなくて、個別原価管理もできるし、建設業向け(たぶんシステム会社にも適応可能)なパッケージもあるし、給与計算、人事、勤怠管理、販売管理、仕入在庫管理、税務申告、固定資産償却などなどなど、ほんとに多岐にわたります。日本中の会社全部、奉行シリーズに染まっちゃえばいいのにとすら思います。いや、もちろん健全な競争があるからこそこの奉行シリーズは優秀になってるんでしょうけどね。

そんなわけで、要するに私は奉行シリーズ大好きって話でした(笑)。なお、オービックさんとかOBCさんとかからはお金とか一切もらってないのであしからず!!

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