アロワナの社長の会社二重融資について書きましたが、これを書いてもう一つ思い出しました。多重迂回融資です。

借りたい、貸したい、でも融資できない!

私が居た会社は不動産開発業者だったのですが、開発に良い土地が見つかり、銀行から融資を受けて開発したいと考えていました。必要なのは20億円。でも、そのくらいの金額になると銀行側の決裁手続きが大変なようです。偉い人のハンコをもらう、あの決裁ですね。

銀行の組織はキッチリと決裁権限が決められています。たとえば「平銀行員は5000万円まで」「支店長は10億円まで」「それ以上は頭取決裁」みたいな。頭取って、銀行の社長のことですよ。まあ具体的な金額は私は知りませんけど、キッチリと1件あたりの金額ボリュームで「誰のハンコで貸せるか」が決まってるんですよ。

そして、ともかく支店長の決裁では20億円は貸してもらえなかった。

でも、その時のその支店長は出世欲が強い腹黒い人だったようで、ウチの社長にこう言ったようです。

「多重で迂回融資しましょう」

どういうことかというと、こんな感じです。

支店長には一件あたり20億円の融資は権限がないので、貸せません。
多重迂回融資1

そこで、腹黒い支店長は多重迂回融資を提案しました。ウチの社長はその話に乗りました。
多重迂回融資2

社長が実体のない会社を10個作りました。
多重迂回融資3

そんで、支店長は、社長が作った10個の会社に、1つあたり2億円づつ貸します。1件あたり2億円であれば、支店長の権限でいくらでも貸すことができます。そして、その実態のない会社に貸された2億円づつを社長が吸い上げます。それで社長は20億円ゲット。
多重迂回融資4

これだけ。簡単ですね。

しかしこれは支店長は銀行内の決裁権限を犯していることになるので銀行内の処罰として罰されますし、たぶんウチの社長の方も、会社法とかで罰されるんだと思います。実際どうなったかは知らないけど。この3年後くらいに倒産しちゃったからね。

ちなみにこの多重迂回融資は前に書いた二重融資と一緒に銀行にバレたらしく、この支店長は更迭になりました。でも、なんか知らんけど、その銀行傘下のリース会社の社長になってた。リース会社の社長になるってことは、銀行頭取への出世コースから外れたっていうシルシで、もうそれ以上出世できないって意味なんだって。つまり、リース会社の社長になるってことは、その銀行の認識としては「非公式な処罰」みたいな扱いになってたらしい。ホントかどうか知らんけど。でも、そんな理由で社長が降ってくるそのリース会社の社員さんたちって可哀想だよね。。。

まあそんな思い出話でした。


売掛金を即現金化する(ファクタリング)
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