freee(フリー)ってサービスがあります。個人事業主さんや中小企業向けの会計サービスです。やよいの青色申告とか、勘定奉行とかを置き換える位置付けになるサービスです。

このfreee、「全自動の確定申告」を謳ってます。それ、本当でしょうか。

「全自動の確定申告」というフレーズは、去年の確定申告時期にはかなりたくさんのテレビCMも流れていたので、覚えている人も結構多いんじゃないかと思います。YouTubeを漁ったらfreee公式のCM動画があった。

で、freeeの「全自動の確定申告」。それって本当なのかというと、嘘です。嘘と言い切っておきます。

freeeは確かに、導入すると経理がかなりラクにはなります。従来の会計ソフトに比べると、かなり高機能と言えるでしょう。大多数の人、たくさんの人に勧められるサービスではあります。

しかし、「全自動」は嘘なのです。実際、私はfreeeを使っていますが、freeeに対する入力に結構な時間を費やしています。個人事業主として活動している私は今、2015年の数字をfreeeに色々と入力してるんですけど、1年分の4分の1くらいの作業が終わった現時点で、たぶん10時間くらいの時間を費やしています。全自動だったら、ゼロのはずですよね。だから、全自動ってのは嘘なんですよ。
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私もね、去年、この「全自動」に騙されました。全自動だったら、freeeを導入すれば確定申告なんてサクッと終わっちゃうんでしょと。そう思ってたんですよ。でも違った。

freeeは確かに高機能で素晴らしいです。でも、やはり経理の知識が必要です。もしあなたに経理の知識が全く無いのなら、freeeに過剰な期待をするべきではないです。今すぐ税理士紹介ネットワークとかに相談して、税理士さんを探すべきです。税理士紹介ネットワークでは、相談は無料でできます。税理士さんを雇うとやはり費用はかかります。その金額は、普通の個人事業主さんの確定申告なら、1年分でたぶん6万円~8万円程度かな。私は税理士さんを雇ってないので正確なところはわからないけどね。それくらいかなと。

もし全部自分でやるとして、freeeで自力で確定申告までたどり着くには・・・、たぶん簿記3級程度の知識は最低限必要です。そして、簿記3級程度の知識がある人は、個人事業主さんや中小企業の社長さんの中では、ほんのひとにぎりでしょう。実質、ムリと思ったほうがいいです。

ちなみに、freeeで自分で会計作業をしている私は、簿記2級持ち+企業経理実務1年経験、という経歴です。経理としてはペーペーな知識ですが、とはいえ経理実務を経験したことある人なんて、全体として見たらかなりの少数派だと思います。そんで、そういう知識がない人はこれで確定申告はムリだと思います。

繰り返しますが、freeeは確かに素晴らしいサービスです。かなり進化したサービスです。今会計ソフトを何も使っていないのなら、freeeは強力な選択肢になります。freeeの対抗馬は、やよいの青色申告 オンラインくらいでしょうか。freeeは基本的には良いサービスです。

しかし、「全自動」は嘘なのです。

freeeには、確かに「自動」になっている部分はあります。銀行口座とクレジットカードのお金の動きを取り込んで勝手に会計データを作成してくれます。この点は非常に画期的です。素晴らしいです。手間がかなり軽減されます。

しかし、その勝手に作ってくれた会計データは、完璧ではありません。以前、私がその性能を検証したこともあります。この私の検証では、サンプルデータ18個中、正確な会計データを作ってくれていたのは8個だけでした。的中率44%です。44%の作業がなくなったわけで、作業時間の軽減に役立ったことは間違いありません。しかし、私の手で修正が必要だったデータもたくさんありました。

結局、そのfreee内部で自動的に作られた会計データが正しいかどうかは、人間が目で見て確認して判断する必要があります。つまり、自動で会計データは作られるけど、それが正しいデータかどうかは結局のところわからないのです。確認が必要なのです。

だから、「全自動」は嘘なのです。

それに、自動で会計データを作ってくれるのは銀行預金とクレジットカードの動きを取り込めるものだけで、現金で払った経費とかは、当然、自分で入力する必要があります。あ、freeeにはレシートとか領収書とかをスマホで写真撮って送ると自動で会計データを作ってくれるサービスもやってるんだった。それも、freeeの素晴らしいところではある。

でも、それにしたって経費で買い物するたびに写真撮って送らなきゃいけないわけでしょ。それ、手間かかってるから「全自動」ではないよね。「一部自動」だよね。しかも、その自動で作られた会計データは、上記の通り、間違っている可能性もかなりあります。

そういうわけで、freeeは素晴らしい機能を持っているサービスであることに間違いはありませんが、「全自動」というのは嘘です。良くない宣伝文句だと思います。個人的には、「全自動」を謳うのは詐欺的だと思います。「全自動で確定申告!」って言われたら、何もかもおまかせで何もせずに申告が済んじゃうんだ!!って思っちゃうじゃん。素人さん相手にそんな幻想を抱かせる宣伝しちゃダメだと思うな。

freeeは素晴らしいサービスだけど、ちょっとモラルがない。優秀だけど信用できない感じ。私は会計知識がそこそこあるから、その信用できない感じを理解した上でfreeeを使ってますけどね。

そんな感じで私はfreeeを使いつつも、freeeに対して不信感があります。「全自動」じゃないのに「全自動」って言い続ける限り、この不信感は消えないと思うなあ。

なお、freeeの対抗馬として挙げたやよいの青色申告 オンラインは、かなりクリーンなイメージです。やよいの青色申告オンラインも銀行預金の動きとクレジットカード明細から自動で会計データを作る機能があります。つまり、その点ではfreeeと同等。なお、その会計データの精度ですが、さっき出した記事にも書きましたが、十分な推測ができないものに関しては、勝手に会計データを作らず、「わかりませんでした」ってデータが出てきます。そんで、作られた会計データに関しては、正確性はfreeeより高いです。その辺も、アグレッシブでダーティーなfreeeに対して、やよいの青色申告オンラインは「誠実」な感じがします。

そういうわけで、会計ソフトや会計サービスはたくさん進化してるけど、まだまだ確定申告には会計知識が必要です。会計知識がない人は、税理士紹介ネットワークに相談して税理士さんを紹介してもらったほうがいいですよ。最終的に税理士さんにお願いすることになったら当然費用を支払う必要はあるけど、相談だけなら無料で受け付けてくれます。

freeeは確かに素晴らしいサービスだけど、簿記3級程度以上の知識を持っていない人は諦めるべきです。

やよいの青色申告 オンラインは、freeeと同等の機能を持っています。そんで、freeeより誠実な印象。しかし、やはり会計知識は必須です。

たぶん大多数の人にとっては、今もまだ、確定申告には税理士さんを雇う必要があると思います。それが現実です。


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