システム屋さんに贈る、消費税改正の歴史
いよいよ消費税率引き上げの時期が迫って参りました。未だに本決まりではありませんが、だからこそ対応できなくてジリジリと焦れている方も多いでしょう。今回はちょっと一息置いて、消費税関連の歴史を紐解いてみましょう。
過去の経緯を知っておこう
今更、過去の経緯なんか知っても・・・という方も多いと思いますが、たぶん役に立つ方も結構いらっしゃるでしょう。メインフレーム時代のソースコードを未だに引きずっている会社は多いはずです。COBOLからJavaへの自動変換も結構行われていたようですしね。既存システムのソースを見ていく上で、過去の税法改正の経緯を知っているのと知らないのとでは雲泥の差だと思います。
で、作った表がこちら。着色しているのが消費税に関する変更です。また、消費税以外でもシステム改修が発生していそうな出来事も黒字で書いてみました。
元号年 | 西暦年 | できごと |
---|---|---|
昭和63年12月 | 1988年12月 | 消費税法案成立 |
平成01年04月 | 1989年04月 | 消費税法施行(税率3%) |
平成03年10月 | 1991年10月 | 消費税簡易課税適用上限を売上5億円から4億円に変更 |
平成09年04月 | 1997年04月 | 消費税税率5%に変更 (消費税4%+地方消費税1%) |
平成10年04月 | 1998年04月 | (固定資産関連:建物の耐用年数短縮・償却法を定額に限定) |
平成11年04月 | 1999年04月 | (新連結会計導入・キャッシュフロー計算書の導入) |
平成12年04月 | 2000年04月 | (金融商品会計導入) |
平成13年04月 | 2001年04月 | (退職給付会計導入) |
平成14年04月 | 2002年04月 | (連結納税制度導入) |
平成16年04月 | 2004年04月 | 消費税 事業者免税点を売上1000万円に変更 消費税 簡易課税適用上限を5000万円に変更事業者免税点を売上1000万円に変更 消費税 総額表示の導入 (減損会計導入) |
平成19年04月 | 2007年04月 | (固定資産関連:250%定率法の導入) |
平成20年04月 | 2008年04月 | (工事進行基準の見直し) (リース会計改正(所有権移転外リースのオンバランス処理)) |
平成24年04月 | 2012年04月 | 消費税 95%ルールの見直し (固定資産関連:200%定率法の導入) |
平成26年04月 | 2014年04月 | 消費税税率8%に変更 |
平成27年10月 | 2015年10月 | 消費税税率10%に変更 |
でかいのはやはり平成元年の消費税法導入と、平成9年に行われた3%→5%の税率変更ですね。特に平成9年に行われた税率の引き上げの時の対応は、今回の税率引き上げにも役に立つでしょう。15年前の出来事になりますが、当時の資料がある会社の方は是非とも見かえしておくと良いでしょう。
また、会計パッケージの開発者の方々の場合だと、平成3年・平成16年に行われた簡易課税適用上限の変更なんかも影響を受けていそうです。
更に平成16年の総額表示の導入は、おそらく会計システムには影響が薄かったと思われますが、営業系のシステムには大きな修正が入った会社もあるかもしれません。
他には平成19年・24年の250%定率法・200%定率法の導入。これは比較的最近の変更で、固定資産システムには多大なる影響があったはずです。固定資産システムはパッケージという会社が多いと思いますが、スクラッチで作っているところは甚大な影響があったはず。それに引きずられて会計システム側も修正が入ったという場合もあるでしょう。頭に入れておいて損は無いです。
まーそんな感じですね。上記表は割と役に立つと思うので、このページをブックマークしとくといいかもしれません。便利に使って下さい。