売上認識タイミングと消費税率 意外と判断は緩いぞ!って記事を書きました。税率判断は意外と緩い一面があることがわかったわけですが、そうすると更に気になることが出てきます。売り手と買い手で消費税率の認識がズレていた場合。

ズレてもいい!

例えば、売り手が発送日を基準として消費税率を認識し、買い手が検収日を基準として消費税率を認識しているとします。そして、例えば2014年3月30日に売り手が発送して、買い手のところに届いて検収が完了したのが翌月4月3日とします。そうすると、売り手は発送日基準で判断するので消費税率は5%となり、買い手は検収日基準で消費税を認識するので8%ということになります。同一の取引について5%と8%とで認識がズレるわけですが、これっていいのでしょうか。

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答えは、「ズレてもいい」です。このような場合は、両社の間で仮受・仮払税額を同じにしなくても大丈夫です。ずれたまま申告してしまいましょう。

一応、仕訳も書いておきます。2014年3月30日に売り手が発送して、買い手のところに届いて検収が完了したのが翌月4月3日の場合。但し、売り手は発送日を基準として売上を認識する。また、買い手は検収日を基準として売上を認識する。

売り手側の仕訳
借方 貸方
売掛金 105,000 / 売上 100,000
仮受消費税 5,000
買い手側の仕訳
借方   貸方
仕入 97,222 / 買掛金 105,000
仮払消費税 7,778      

と、まあこんな感じです。これが原則。

請求書に明示されていればそれに従う

ただし、請求書に消費税額が明示されていると話は変わってきます。税務研究会のウェブサイトに載っていました。

仕入計上が施行日以後・売上計上が施行日前の場合 請求書等で適用税率が明らかなときは仕入れ側は支払った消費税を控除

 平成26年4月1日以後に行われた資産の譲渡等又は課税仕入れから新消費税法が適用されるが、棚卸商品の販売等に係る資産の譲渡等の時期は、事業者が継続して採用している計上基準に基づき決定される。

 そのため、消費税率の引上げに際して、例えば、出荷基準で売上計上している売上げ側が施行日前に出荷をし、検収基準で仕入計上している仕入れ側が施行日以後に検収した場合は双方で適用税率が異なることになる。

 この点、消費税は前段階税額控除であることから、請求書で税率5%での資産の譲渡等が行われたことが明らかな場合には、仕入れ側は税率5%で仕入控除税額の計算を行い、税込金額の請求で消費税額等が不明の場合には、仕入計上時期の税率で仕入れに係る控除税額を求めることとなろう。
引用元:税務研究会:週刊税務通信 Weekly Tax News

これを読み砕きますと、要するに、売り手からの請求書に消費税率が明示されている場合は、買い手の仕入認識基準にかかわらず、売り手の請求書の記述に従うということです。今回の場合であれば、売り手としては消費税を5%と認識しているので、買い手も、4月の日付で5%での税率での仕訳を切るということです。

大企業同士の場合は請求書の存在しない取引ってのはほとんどないと思うので、おそらく請求書の記述に従う仕訳がほとんどでしょうね。中小企業とか個人事業主さんだと原則に従うことが多いのかもしれません。


売掛金を即現金化する(ファクタリング)
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