消費税引き上げ、税率判定の基本は「納品日付」ですって記事を書きましたが、若干迷うかなという場合もあることに気づきました。納品日が予定からズレた場合。

あくまでも「実際の納品日付」

例えば、契約条件として納品日が3月31日になっていた商品の納入が4月1日になった場合。これはどう扱うべきでしょうか。

答えとしては、原則通り「納品日で判断する」ということになります。契約書上の納品日がいつであろうと、実際の納品日で判断します。今回の場合であれば、契約条件として納品日が3月31日が挙げられていますが、これは消費税率の判断には一切影響しません。

納品が遅れたせいで税率が変わるとなると、かなり微妙なことになりそうですね。例えば、売り手として納品が遅れた場合を考えてみましょう。

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契約書の再作成

消費税は5%から8%に変わるわけですが、そうしたら契約書に記述されている本体金額と消費税額が変わってしまうことになります。となれば、最初に作成した契約書は破棄して、再度、消費税を再計算した上で契約を結び直さなければならないでしょう。しかもこういう事態は社内稟議的にもイレギュラーな処理になると思うので、色々と調整に気疲れしそうです。

どっちが泣くか?

そして消費税を5%から8%に変えなきゃいけないとなると、どっちが泣くかを決めなきゃいけません。例えば、10万円のものを消費税5%時期に納品した場合の仕訳はこうなりますよね。

予定通り3月中に納品された場合の仕訳
借方   貸方  
売掛金 105,000 / 売上 100,000  
      仮受消費税 5,000 ←5%

そして、納品が4月にズレ込んだ場合はどちらが消費税分を負担するかによって仕訳が変わります。

まず売り手が消費税分を負担した場合はこうです。

納品が4月にズレ込んで、売り手が泣く場合
借方   貸方  
売掛金 105,000 / 売上 97,222 ←売上を減らした
      仮受消費税 7,778  

そして、買い手が消費税分を負担する場合はこうなるでしょう。

納品が4月にズレ込んで、買い手が泣く場合
借方 貸方
売掛金 108000 / 売上 100000 ←売上を変えずに消費税を増やした。
 買い手の支払額を増やしている。
      仮受消費税 8000

ここで、少し疑問を持つ方も居るかもしれません。「売り手の都合で納品がズレたんだから、消費税分は売り手が負担するに決まってるじゃん」と思った方、たくさんいると思います。商売のスジとしてはその通りですよね。

でも、消費税の思想を思い出してみると、「買い手が消費税を負担する」というのが大原則となっています。例えば、スーパーとかで増税のタイミングでの価格転嫁がしやすいように、わざわざ別税方式の表示をOKにしたりしてますよね。それを考えると、お役所から「あくまでも買い手が消費税を負担すべし!」という指導が入るかもしれません。

そういうのを含めてこの「納品がズレた場合」の経理処理を考えると、相手との交渉はなかなか微妙な空気が漂う気がします。この増税のタイミングでは何としても、納品は予定通り済ませたいですね。


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