消費税軽減税率について色々書いておりますが、軽減税率の議論の中でよく出てくる言葉に「益税」という言葉があります。これについて説明しましょう。

事業者の利益になる「税」

消費税における益税とは、お客さんから消費税を受け取ったけど、その受け取った事業者が税務署にその消費税を納めず、事業者の利益になってしまうことです。

そもそも消費税ってのは、末端の消費者が支払ったものを、企業を通して税務署に収めることになっています。どういうことかというと、例えば末端の消費者がその辺のスーパーとかで買い物をした場合、その消費者は消費税を払いますよね。でも、そのスーパーは「これだけの消費税を消費者から受け取ったので、それをそのまま税務署様に支払います」っつって確定申告して納税することになっています。つまり、一般企業は消費税を受け取るけど、右から左で税務署に支払うわけです。

また、実際にはそのスーパーは消費者へ品物を売る前にその品物を問屋さんから仕入れてますよね。その場合は、そのスーパーはその問屋さんに消費税を支払っています。その支払った分は、逆に税務署からその金額を貰えることになります。支払った分を貰えるので、要するにチャラです。

一般的には、上記のスーパーのような場合は末端の消費者から受け取った消費税の方が、問屋さんに支払った消費税の額より大きくなるので、差引で税務署に差額分を支払うことになります。細かいことを言うともっと色々あるんだけど、基本的にはそういうことです。なので、基本的には益税ってのは発生しないことになっています。

現行の消費税法では例外がある

しかし、現行の消費税法では例外があります。小規模事業者です。年間の売上が1000万円以下の個人事業主や法人の場合、消費税は税務署に納めなくて良いことになっています。しかも、消費税を受け取ることはかなり強い権利として認められています。つまり、受け取ったまんま自分の懐に入れて良いわけです。これが現行の消費税法における益税です。

ちょっとズルい気もしますが、これはこうでもしないと小規模事業者は経理ができないという事情が大きいと個人的には思っています。私みたいにそこそこ会計をわかってる人間なら自分で経理ができますが、世の中の99%以上の人は消費税法なんて知らないわけです。そういう人たちの起業を促進して経済を活性化させるには、小規模事業者の納税手続きを簡略化する必要がある、という政治的判断があるんだと思います。

軽減税率施行下における益税とは

で、軽減税率の議論の中で出てくる益税について。なんで軽減税率が出てくると益税の話が出てくるのか。それは、軽減税率が導入された場合は「EU型インボイス」という事業者間帳票も同時に義務付けることが検討されており、このEU型インボイスが存在すると益税を根絶することができるのではないかと考えられているからです。EU型インボイスについては、別記事で書きます。


売掛金を即現金化する(ファクタリング)
消費税軽減税率関連記事: