消費税軽減税率について色々書いておりますが、今回は、今現在、世界で施行されている軽減税率の線引きの例を挙げ、その難しさを肌で感じてみましょう。

どこまでが生活必需品か

軽減税率のお題目は弱者救済です。貧乏な人でも必ず必要な、食料品を中心に消費税を低く抑えることです。しかし一方、何でもかんでも消費税を低くしてしまって税収が下がれば消費税率を引き上げた意味がありません。そこで綱引きが始まるわけです。

で、実際の例を挙げます。

外食

「貧乏な人は外食することは少ないはずだ」という考え方のもと、外食が軽減税率の対象外になっている例はたくさんあります。では、どこまでが「外食」なのでしょう。

レストランで出されるものは「外食」と言えるでしょうが、微妙なのはスーパーで売ってる惣菜とかです。あれって一般的には調理されている分高いので、比較的「金持ち向け」と言えるでしょう。これを外食とみなすかどうかは議論が分かれると思います。

この点で有名なのはイギリスのパスティです。パスティとは牛肉・タマネギ・ジャガイモなどの具をパイ生地で包んだもので、イギリスの伝統料理です。惣菜として売られることが多いこのパスティが課税対象となり、イギリスで大きな議論になったことがあります。
800px-Cornish_pasty
引用元:ファイル:Cornish pasty.jpeg – Wikipedia

日本で言えば、スーパーで売られている焼きそばみたいな存在でしょうか。かなり庶民的な食べ物だけど、調理されている分「金持ち向け」とは言えそうです。

また、この点で言うとアホらしいのがカナダのドーナツです。カナダでは、ドーナツを6個以上買うと「それはたぶん家で食べるものだよね」という判断で、軽減税率の対象になります。5個以下の場合は、店内で食べる可能性が高いよねってことで、外食扱いで消費税の課税対象になっています。

お菓子

お菓子は「贅沢品」ということで、軽減税率の対象外になっている国がたくさんあります。イギリス・ドイツでは、お菓子は「基本的には」軽減税率の対象外で、通常の消費税率が課されています。

しかし、やはりどこからどこまでをお菓子とみなすかは難しいところがあるようです。例えば、イギリスでは「チョコでコーティングされたビスケット」はお菓子で消費税がかかり、そうでないビスケットは通常の食料品として消費税を免除されています。

加工食品

加工食品は贅沢品ということで軽減税率の適用外としている国もあります。韓国です。しかし韓国では有名な国民的加工食品がありますよね。キムチです。

韓国のキムチを巡っても、やはり微妙な線引きがあります。韓国ではキムチは国民食ということで例外的に軽減税率を適用することになっているのですが、加工性の高いキムチは軽減税率の対象外になります。例えば、長期保存を意図して真空パックにしたキムチは軽減税率の対象外になります。

穀類

穀類。主に炭水化物で構成される食べ物ですね。穀類はどの国でも基本的な食べ物ということで優遇される傾向がありますが、やりすぎれば税収が下がるのでなかなか難しいところです。

イギリスでは、「トルティーヤチップス」は非課税、「ポテトチップスは課税です。おそらく原料が小麦かジャガイモかで判定しているのでしょうね。また、ピスタチオは非課税、加工したナッツは課税。この辺はよくわかりませんね(笑)。

覚えるしかない!

軽減税率が導入されると、こういう判断基準が世の中に流通している商品の種類の数だけ、星の数ほどできあがることになります。その運用コストはとてつもないものになるでしょう。しかし、導入されれば商売としては対応するしかありません。覚悟しておきましょう。


売掛金を即現金化する(ファクタリング)
消費税軽減税率関連記事: