消費税軽減税率について色々書いておりますが、今回は消費税軽減税率で会社のどの部署に大きな負担がかかるのか考えてみます。会社全体を考えるということで、どちらかというと社長さんとか、経営企画室の方とか向けの記事です。

一言に会社と言っても色々なとこがありますが、例としていなげやを挙げましょう。食品小売業です。いなげやには、以前にも流動比率の計算とか当座比率の計算とか軽減税率によるコスト増加の計算とか企業年金積立不足全額計上の計算とかでも例に出させて頂いています。なんとなく好きなんです、いなげやさん(笑)

食品小売業の組織

いなげやの組織図はココに載っています。ここに載っている組織ごとにある程度ザックリめに考えていきます。

小売店舗

影響:甚大
まずは直接的に一般消費者に商品を販売する店舗。いなげやさんでは「販売部」と呼んでいるようです。このような小売店舗の現場では、消費税軽減税率の影響は甚大です。

POSシステムの入れ替え

まず、物理的なPOSシステムの入れ替えが必要か検討しなければなりません。パートさんたちがピってやってるレジ端末ですね。日本のレジ端末は当然日本の従来の税制に則った機能しか搭載していないことが多いわけで、ここ1年くらいでいきなり出てきた軽減税率に対応している可能性はそれほど高くないと思われます。まずは現場のPOS端末の保守業者に連絡を取る必要があるでしょう。興味があれば軽減税率によるコスト増加を計算してみたの記事も読んでみて下さい。

軽減税率適用品目の確認・教育

そして、食品小売業では店舗内で売られる食品は、軽減税率適用品目と非適用品目がかなり混在すると思われます。具体的な品目が明らかになるのはまだまだ先だと思われますが、世界で施行されている軽減税率の線引きの例を読んでイメージアップしてみて下さい。ザックリ言えば、生鮮食品は軽減税率が適用され、惣菜コーナーとお菓子コーナーの商品は適用品目と非適用品目が激しく混在することになるでしょう。

そしてそれらの品目の区分けが明らかになったら、それを社員に教育する必要があります。店舗に並んでいる全ての品目に対して消費税率を記憶しなければならないわけで、ちょっと気が遠くなるような感じもしますが、やるしかありません。

また、アルバイトさん・パートさんに対して軽減税率適用品目についての教育をするかどうか・必要かどうかも判断する必要があります。適用品目と非適用品目の線引がハッキリしていれば単純にPOSに登録する税率を社員が判断して行い、アルバイトさん・パートさんは単にレジ打ちすれば良いということになります。しかし、軽減税率施行で身近な犯罪になる脱税の記事で書いたように、同一品目であっても買った後に消費者が取る行動によって消費税率を変える必要がある場合は、末端でレジ打ちをする人にも教育が必要です。

消費税軽減税率 レジ

スーパーバイザー部

影響:
次に、エリアごとに小売店舗の現場にアドバイスするスーパーバイザーを組織する部署。いなげやさんでは「SV部」と呼んでいるようです。

組織が持つ役割にもよりますが、スーパーバイザー部には、大きな影響はないでしょう。スーパーバイザーは主に各店舗毎の経営帳票を見ながら現場の人の動きについて考えることが多いと思いますが、経営帳票そのものは普通は税抜き金額で作成されるので、消費税からは切り離された世界と言えそうです。

但し、スーパーバイザーが各店舗の作業マニュアルなどを管理している場合は、さっき書いたPOS関連で、例えばPOSに対する商品登録作業の改定などで影響を受けるかもしれません。その辺は要確認です。

生鮮商品部

影響:
次は生鮮商品部。肉とか魚とか野菜とかを扱う部署ですね。

ほとんど全てが軽減税率の対象

この部署は影響は小さいと思われます。消費税軽減税率の影響は間違いなく受けますが、扱う品目のほとんど全てが軽減税率の対象となり、部署としては複数の消費税率を扱う必要がないからです。軽減税率が導入される際の税率の切り替えでピンポイントな混乱は予想されますが、長期間にわたる影響は受けないでしょう。

グロサリー商品部

影響:甚大
グロサリー商品部。要するに生鮮商品以外の全てを扱う部署です。この部署への影響は甚大です。最初に小売店舗のところで書いた通り、扱う商品に複数税率が激しく混在するからです。強い教育が必要と思われます。

商品企画部

影響:
商品企画部。商品開発を行う部署ですね。この部署への影響は中程度と見ます。理由は、事務手続き的な影響は受けないものの、複数税率の存在により消費者の行動が変わるため、その行動について学ぶ必要が出てくるからです。その意味では、軽減税率施行に対して事前に準備するというよりは、事後の消費者の行動を集中的に調査し、その後の行動に活かすという感じになるかもしれません。

ロジスティクス部

影響:
ロジスティクス部。物流ですね。ここは影響を受けることはあまりないでしょう。

経理部

影響:甚大
経理部への影響は、言うまでもなく甚大です。ただ、経理部に所属していれば、まともなビジネスマンなら軽減税率に対してリサーチをしているはずです。影響は甚大だけれども、きちんとした人材が揃っていれば部署として自律的に対処をするでしょう。

情報システム部

影響:甚大
情報システム部への影響も甚大です。会計システムを中心に、社内のあらゆるシステムに対してきちんと軽減税率に対応できるかどうか事前調査しなければなりません。大きな負荷がかかるでしょう。

さらに悪いことに、情報システム業界は直近では「マイナンバー制度」への注目度が大きく、軽減税率について考えているSEさんはほとんど居ない印象です。ちょっと尻を叩くことが必要かもしれません。キーマンズネットで無料セミナーを探すなどして、知識を入れることを促す必要があると思われます。

主幹部署を決めよう

そういう感じで、軽減税率導入については会社の中でも負荷がかかる部署とそうでない部署が出てきます。見極めが必要です。また、大きな会社であれば軽減税率対応プロジェクトのようなものを立ち上げ、主幹部署・主幹役員を決め、責任の所在を明確にして事にあたるべきだと思われます。主幹に適任なのは常識的に考えればおそらく経理部か情報システム部です。ぜひ検討して下さい。

今現在で情報が不足していれば、先ほども書きましたがキーマンズネットで無料セミナーを探すなどして、知識を入れましょう。


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