消費税軽減税率について色々書いておりますが、今回は「EU型インボイス」について。消費税軽減税率が導入された場合、「EU型インボイス」という帳票が義務付けられることが検討されています。ちょっと聞き慣れない言葉で不安ですよね。なので例を作ってみました。

こんな感じ!

結論から言うと、インボイスって、要するに日本の商習慣で言うと請求書のことです。「EU型」の名の通り、インボイスは既にEU諸国で広く使われています。私なりに例を書いてみました。これです。

実はこれ、2年ほど前にイギリス式のインボイスを元に書いたものの転載です。日立コンサルティングのページに「EU式」で指示されているインボイスの内容が列挙されているのですが、その項目を、上記のイギリス式でも満たせていることを確認できました。

新聞なんかの論調だと「EU式インボイス、大変だ!!」って感じの文章が多く見られますが、これ、どうでしょう?そんなに大変じゃなさそうじゃないですか?既に使ってる請求書と大して変わんねえって会社が多いのではないでしょうか。

現状の請求書に義務付けられている内容は実態よりもかなり緩い

なんで「EU式インボイス、大変だ!!」って論調になっちゃってるのかな?って想像したんですけど、たぶん、現行で「義務付けられている内容」と比較すると、EU式インボイスは項目が多くなっているからだと思います。

たぶん今の日本のほとんどの会社では、上記のEU式インボイスと同程度の内容は記述できているんじゃないかと思います。でも実は、請求書に義務付けられている内容は実態よりはかなり緩いんです。

消費税納税にまつわる請求書の内容は、消費税法によって法的に定義されています。左記リンク先の法令の原文はとても読む気になる文章ではないですが(笑)、じっくり読み解いてみると、現行法では、請求書に義務付けられている記載内容は以下の点です。

  • 取引した年月日
  • 請求書作成者の氏名or法人名
  • 請求先の氏名or法人名
  • 商品の名前
  • 税込み価格

で、現行の消費税法に記述がなくてEU式インボイスで記述しなきゃならない項目、つまり新たに追加が義務付けられるのは以下の項目です。

  • 消費税登録番号(課税事業者番号 要するに法人を表す公的なID)
  • 請求書作成者の住所
  • 請求書番号(インボイス番号 要するにインボイスを表す単純な通し番号のIDでOK)
  • 税率ごとの税抜き価格
  • 適用税率&税額

項目が5つ挙げられました。これを大変だって新聞屋さんとかは騒いでるわけですけど、これの何が大変なんでしょう?

いや、もちろん大変です。導入時はコストがかかるでしょう。でも、突拍子もないような項目が挙げられているわけではありません。それぞれの項目を見てみましょう。

消費税登録番号

消費税登録番号は、軽減税率の問題とは別問題として「マイナンバー制」が導入予定なのでそれで代用されるでしょう。っつーかそもそも、大多数の企業には会計システム内で相手先の一覧は管理され、それぞれにIDが振られているはずです。それと「マイナンバー」を紐付ければいいだけ。システム的にはかなり単純な紐付けです。改修は発生するでしょうが、影響は軽微でしょう。

請求書作成者の住所

請求書作成者の住所。これ、請求書を出すときに自分の住所を書けってことですよ。請求書出すとき、自分の会社の住所書かずに出しちゃう会社なんて、私はこれまで長くサラリーマンをやってきて見たことがありません。実質的な対応負荷はゼロのはず。

請求書番号

請求書の通し番号。これもフツーは既に採番してますよね。何らかの形でID管理してなけりゃ、請求に対して支払いがなされたかどうか管理できないじゃないですか。これも会計システム的には当たり前の機能。

税率ごとの税抜き価格

税率ごとの税抜き価格。これは、確かに対応は大変。だけど、そりゃ複数税率になったらこれは書かないわけにはいかないでしょって項目です。書くに決まってる。あたりまえ。

適用税率&税額

これも上記と同じく、当たり前。これ管理しなきゃ納税する消費税額を計算できません。

確かに対応負荷はかかるが、限定的

そんなわけで、「EU式インボイス」は、確かに対応負荷はかかるでしょうが、その大きさは限定的であると私は思います。ただ単に、これまでちゃんとしてなかった会社が割を食うだけですよ。そんなに怖がる必要ないと思います。


売掛金を即現金化する(ファクタリング)
消費税軽減税率関連記事: