消費税軽減税率の適用対象品目の線引きには論点がいろいろありますが、大雑把な論点をいくつか挙げておきましょう。

食料品

消費税軽減税率の名目は弱者救済であり、弱者であっても必ず買う、または買う可能性の高いものについて消費税率を下げようということになっています。弱者であっても必ず買うものということで、まずは食料品が挙がってくるでしょう。

確かに食料品は人間であれば誰でも必要とします。そこに異論のある人は少ないでしょう。しかし、どこからどこまでを食料品と呼ぶかは突き詰めて考えていくと議論がわかれます。

例えばコメ。コメは誰がどう見ても食料品ですよね。現在の議論でも、コメは常に軽減税率適用対象品目として挙がっています。

食う以外の用途のあるもの

しかし、どっからどこまでを「コメ」と呼ぶのでしょう?例えばスーパーで売っている袋詰めのコメは明らかに食料品でしょうが、コメを作るための種もみはどうでしょう。種もみは、買って精米すれば食べられます。でも、それを田んぼにまいて発芽させる場合は、その種もみそのものは人間の口には入りません。このように、「買ったあと食おうと思えば食えるけど、食う以外の用途のあるもの」に関しては議論が分かれるでしょう。

食料品を作る上で必要不可欠なもの

コメの周辺でもう一つの論点を挙げるとするなら、例えば田んぼの肥料なんかも議論になると思われます。論点は「食料品の原料を軽減税率の対象とするかどうか」ということです。「それそのものは食料品ではないけど、食料品を作る上で必要不可欠なもの」を軽減税率適用の範囲とするかどうかです。田んぼの肥料に高率の税金をかけ、その結果コメの価格が高くなれば、弱者は被害を被ります。弱者救済という名目に立ち返れば、田んぼの肥料も軽減税率の対象にし、その結果としてコメの価格を下げるということも道の一つとして有り得るでしょう。

高級な食料品

また、一口にコメと言ってもいろいろあります。安いコメもあれば、高いコメもあります。特に最近は健康志向で「有機栽培米」とかをたまに見ますね。あれはコメですが、コメの中でも付加価値を高めたものです。お金持ち向けのコメと言ってよいでしょう。これは確かにコメですが、お金に困っている弱者は買わなそうです。これを生活必需品として弱者救済の名のもとに対象とするかどうかは議論が分かれるでしょう。

食料品以外

食料品以外についても軽減税率の対象とするか議論があります。最近では新聞業界が「新聞を軽減税率の対象にしろ」と言って話題になりました。人間として生きていく上での「文化」は、憲法にうたわれている通り、日本国民は権利として保証されています。ならば、文化を構成する必要最低限のものを軽減税率の対象とすることは考え方としてはあるでしょう。

しかし、文化というのは曖昧な言葉で、少し突き詰めて考えるとすぐに何が何だかわからなくなります。知恵熱が出そうです。考え始めると、何でも対象になってしまう気がします。例えば、新聞が対象になるなら、新聞と同じ情報を受け取れるという意味で、あなたが今見ているパソコンやスマホも対象になりそうな気がしてきます。話を広げればなんでもいくらでも出てくるでしょう。

そういうわけで、消費税軽減税率がもし始まるとすれば、あらゆる業界に多大な影響が出ることが予想されます。その難しさだけでも頭に入れておくと良いでしょう。


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